過去5年のラップタイム分析
過去の皐月賞の結果を見てみる。
そうするとレースの流れ、勝ち馬の傾向に顕著な特徴が見られる。
2007(ヴィクトリー)
12.2-11.2-12.1-11.6-12.3-12.3-12.3-11.6-12.0-12.3 1.59.9
天候:晴 芝:良
上り4F:48.2 3F:35.9
前半1000m:59.4
勝ち馬コーナー通過:02-01-01-01
勝ち馬上り3F:35.9
記憶に新しいところだが、最初の直線から1コーナーでサンツェッペリンが
押して押してハナに立ったところを、ヴィクトリーが2コーナーあたりで交わして
2~3馬身程離しての逃げに入る。
その部分が600~800mの11.6というラップに現れている。
その後向こう正面の下り坂で脚をため、
3コーナー過ぎから徐々に仕掛け始めて、
最後は1、2番手を走っていた馬の我慢比べ。
差し馬に関してはフサイチホウオー、アドマイヤオーラ、ドリームジャーニーが
最後は良く伸びたが届かず、他の馬は伸びきれないという感じだった。
2006(メイショウサムソン)
12.3-11.3-12.0-12.1-12.3-12.0-12.2-11.8-11.7-12.2 1.59.9
天候:曇 芝:良
上り4F:47.9 3F:35.7
前半1000m:60.0
勝ち馬コーナー通過:06-05-04-03
勝ち馬上り3F:35.1
ステキシンスケクンが逃げ、レースを引っ張るが、
3コーナーで2番手追走のフサイチリシャールがそれを交わす。
勝ったメイショウサムソンは3コーナーから徐々に押し上げて、
直線半ばでハナに立つと、内から迫るドリームパスポートを押さえ込んだ。
2005(ディープインパクト)
12.1-11.0-11.9-12.2-12.4-12.6-12.5-11.8-11.4-11.3 1.59.2
天候:晴 芝:良
上り4F:47.0 3F:34.5
前半1000m:59.6
勝ち馬コーナー通過:15-16-09-09
勝ち馬上り3F:34.0
この年はディープインパクトの強さが際立ちすぎて、
ラップタイムにも例年には見られない傾向が出てしまっている。
とにかく最後の11.3はすごい。
ディープインパクト自身は3コーナーから4コーナーで前との差を
かなり詰めていることから、そこで相当脚を使っているはずで、
さらにこのラップには上り坂での減速も含まれている。
それにも関わらず当たり前のようにここで加速している。
この馬を基準にするのは無理があるので、2着のシックスセンスのタイムで考えると、
ラストの1Fのラップは11.7になるはずである。
シックスセンス自身も長い距離を相当良い脚を使っている。
2004(ダイワメジャー)
12.1-10.9-12.3-12.2-12.2-12.5-12.0-11.6-11.3-11.5 1.58.6
天候:晴 芝:良
上り4F:46.4 3F:34.4
前半1000m:59.4
勝ち馬コーナー通過:02-02-02-02
勝ち馬上り3F:33.9
レースは逃げるメイショウボーラーをダイワメジャーがピッタリとマークする形。
体制そのままでラスト3Fから一気にペースが上がり、
直線でダイワメジャーが先頭に立つとそのままゴールまで駆け抜けた。
その後の低迷~復活しての大活躍を知っている今見ても、かなり強い内容で勝っている。
ダイワメジャーの強いところはどこか言うと、
何と言っても速いスピードを維持し続ける能力だと言える。
この皐月賞でも3コーナー過ぎから直線の坂を含めて、
ほとんど減速することなく走りきっている。
先に答えを言ってしまうようだが、この部分が皐月賞を勝つためには必要な要素である。
2003(ネオユニヴァース)
12.5-11.3-12.4-12.9-12.6-12.6-12.2-11.4-11.5-11.8 2.01.2
天候:小雨 芝:良
上り4F:46.9 3F:34.7
前半1000m:61.7
勝ち馬コーナー通過:09-08-07-08
勝ち馬上り3F:34.3
レースは他の年と同様に向こう正面で緩み、3コーナー過ぎから加速するという展開。
勝ったネオユニヴァースは内々を進み3~4コーナーでもロスなく前との差を詰めて、
直線に入ると同時に多少強引にコースを作り、先に先頭にたったサクラプレジデントを
最後に交わし切った。
馬の実力はともかくこれは騎手がデムーロだからこそ勝てたようなもの。
国内の騎手であそこまで強引に行ける人間はいない気がする。
その場合前に壁ができて終わっていた可能性が高い。
どちらにしても1、2着馬はペースが上がった後、長く脚を使っており、
粘り切ったという印象ではある。
皐月賞の傾向
過去のレースの傾向から皐月賞を勝つための条件は?
1.3コーナー過ぎの加速について行けること
2.スピードを維持し続けられる持久力が必要
1は最低限の条件として挙げる。
加速そのものはそれ程急激なものという訳ではないので、
それなりの実力を持っていさえすれば、付いていくことができるはずである。
そもそも実力が無い馬はここで振り落とされる。
2は過去の皐月賞の結果を見れば分かるように、
このレースでは最後までラップタイムがあまり落ちることはない。
それは先行する馬が向こう正面の下り坂で脚を溜められるからに他ならないのだが、
最後までラップが落ちないということは、
差し馬は3~4コーナーで前との差を詰めておく必要があり、
そこで脚を使っても直線でスピードを落とさずに維持できることが絶対条件になる。
逆にこのレースで1番厳しいタイプは切れ味で勝負しているような馬で、
早仕掛けで前との差を詰めるところで脚を使ってしまい直線で伸びきれないか、
仕掛けを遅らせて直線では伸びても前には届かないということになりかねない。
また先行馬については、ある程度楽に先団にとりつけるスピードと
最後までスピードを維持できるスタミナが必要。
さらに向こう正面の下り坂でしっかりと息を入れた後、
そこから再び加速するという展開にも対応できることが条件。
それ故に一本調子の逃げ馬では厳しい。
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