1 | ブラックエンブレム | 1.58.4 | 34.6 | 05-06-08-07 |
2 | ムードインディゴ | 1.58.5 | 34.4 | 13-12-11-11 |
3 | プロヴィナージュ | 1.58.6 | 35.6 | 02-02-01-01 |
4 | ブライティアパルス | 1.58.6 | 35.3 | 03-03-03-04 |
5 | エフティマイア | 1.58.7 | 35.3 | 05-06-05-04 |
6 | リトルアマポーラ | 1.58.7 | 34.3 | 17-17-15-15 |
天候:晴 芝:良
上り4F:47.3 3F:35.4
前後半:58.6-59.8
12.3-10.4-12.3-12.2-11.4-12.5-11.9-11.5-11.8-12.1
レース評~華麗なる凡戦~
走破タイムは速く、ラップタイムを見ると前半~道中は締まった流れをしていて
全体の結果だけならば一見それ程レベルが低くないようにも見える。
しかし相当に速い馬場だったことと各馬のパフォーマンスを1頭ずつ見ていくと
やはりお世辞にもレベルが高いとは言えないレースだった。
個人的な予想で上位に挙げた何頭かはさすがに大崩れはないと踏んでいたが、
結果は5着以内には○エフティマイアしかきていないという散々なもので
結局、それだけの抜けた実力を持った馬はいなかったということだろう。
今回、各馬の明暗を分けたポイントは脚の使い所と騎手の仕掛けという2点。
特に前者は結果的に内外の差ということに収束する。
レースは例年通りの道中が締まった流れに見えるが、馬場によるバイアスが
相当掛かっていることを考慮すれば、スタートからゴールまで平均ペースで
淀みなく流れただけの展開だった。
このような流れでは"ここだ"という勝負所がない以上、いつどのタイミングで
各馬が脚を使うかがより重要になる。
基本的にレースで脚を使う主なタイミングは(言うまでもないが)前半の位置取りを
決める時、3~4コーナーで前との差を詰める時、直線でのラストスパートの時で、
最後のラストスパートはどの馬にも共通なことなので、結局は前2つのタイミングが
問題となってくる。
そしてスタート直後と3~4コーナーという2つのポイントで(総合的に)脚を
使わずに、最後の直線で1番余力を残せている馬が当然勝利することになる。
秋華賞は芝内回り2000mで行われるためにスタートしてから最初のコーナーまでが
短く、外枠に入った馬は外に振られるためにどうしても自分の思い通りの位置取りを
確保することが難しくなる。
思いきった先行策であればそれ程の影響を受けずに済むかも知れないが、好位に
つけようとする馬などはいつも以上にそこで脚を使わされてしまい、差し馬の場合は
そこで脚を使わなければいつも以上に後ろの位置取りとなってしまう。
これが脚を使う1つ目のタイミングで、1~2コーナーにおいて内を回る馬と外を
回る馬の間では大きく異なることになる。
2つ目のタイミングである3~4コーナーは基本的に差し馬限定の問題で、ここでは
前との差を詰めるのに脚を使うことになる。
コーナーで同じ位置取りから前との差を詰めようとすれば当然のように外側に
位置している馬の方が速い脚を使わなければならず、逆に内側を回る馬はあまり
無理をすることなく直線を向いたところでいいポジションを確保できてしまう。
道中の緩まないことも含めてこの脚の使いどころを考えれば、レースで最も有利に
なるのは前半は無理をする必要がなく、3~4コーナーでもそれ程の脚が
要求されない内枠の差し馬となり、次に前半は自分の位置取りを確保するために
(外枠の馬程ではないにしろ)脚を使う必要があるが、後はレースの流れが
許す限り脚を溜められる内枠の先行馬の順となる。
そして最もこのレースで不利になるのは、1~2コーナーで外を回って脚を使い、
3~4コーナーでも相当な脚を使わされる外枠の好位差し&差し馬であり、
道中がそれ程緩められないために最後の直線を向くまでの間で楽をできるところが
ほとんどないことになる。
実際に上位を占める馬は内枠に入った馬中心で、外枠に入った人気上位馬は
ことごとく惨敗してしまうという結果になっている。
そして有力とされていた馬でもその不利を全く克服することができなかった。
それが結局、春の活躍馬でも抜けて強い馬は1頭もいなかったことの証明となる。
今回、レース自体はこうやって様々なことを考えさせてくれるという点で
興味深いものとなったが、この中から古馬戦線において中心となっていくような
馬は見当たらず、この先の楽しみが見出せないことを考えると結局このレースは
凡戦だと言わざるを得ない。
個人的に3冠ラストレースの注目点は「今後の可能性」の1点に尽きるので…。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
ブラックエンブレム
この馬に関しては内枠ということもあるが、騎手の腕によるところが大きい。
スタートで内の好位を確保し、道中は控えるだけ控えて仕掛けは直線に入ってから。
上記の脚の使い所という観点から言えば、他の馬と比べたら直線入り口まで
ほとんど脚を使ってないようなもの。
道中でかなり控えたことで、緩めれば長く持続する脚を使えるこの馬の特性を
うまく引き出した好騎乗だったと言える。
ただ今後道中で緩めている暇などないようなレベルの高いレースにおいて
良い結果が残せるかどうかには疑問が残る。
ムードインディゴ
道中は内で溜め直線に入るところで外に持ち出した。
勝ち馬とは結果的に内外の差というだけでこの馬にとっては本当に
惜しいレースだった。
ただこの馬も枠と展開に恵まれた感が大きいだけに今後の活躍は疑問。
プロヴィナージュ
向こう正面でエアパスカルを交わし11.4秒というラップを刻み、その後一旦
緩めたとはいえ最後は0.2秒差の3着まで粘ったのは評価できる。
この馬の持続力&持久力をうまく引き出した佐藤哲の好騎乗だった。
自ら動いて道中を締まった展開とし、ラストを粘れる持久力を示したという点で
このレースでは数少ない今後の可能性を残した馬だと言える。
ブライティアパルス
近走で締まった展開を好走してきておりある程度の力は見せていたが、
今回もスタート直後にすっと前の内側のポジションを確保し道中で脚を
溜められたことが大きい。
そして直線の進路の取り方が悪く追い出すのが遅れたが最後まで良く伸びていた。
展開に恵まれた感は否めないところがあるが一応この馬の地力は証明した形で
次戦に注目したい。
エフティマイア
上位の馬の中では唯一最内を通らずにある程度好位からレースを進め最後も
良く粘っていた。
残念だったのは鞍上の吉田隼が道中から徐々にエネルギーを解放させるような
騎乗をしたことで、もう少し脚を溜めることができればもう少し結果は違って
いたようにも思う。
結果的に蛯名が乗れなかったのは大きかったということだろう。
ただそれでも正攻法でここまで粘ることができたのはこの馬の地力の高さの
証明に他ならない。
この先古馬との戦いでは少し厳しいとは思うがこの世代の中での実力は最上位に
位置していると考えていいだろう。
リトルアマポーラ
道中は後方の内側で何もせずに3~4コーナー中間で外に持ち出しつつ動いた。
出走メンバー中でもかなり楽にレースを進めて6着までという結果ではどうしても
この先につながるという気はしない。
レジネッタ
それ程抜けた実力は持っていなかったというのが結論だが、今回のレースに関しては
鞍上の騎乗次第でもう少し違った結果となっていたようにも感じる。
今回はスタート直後にかなり控えて後は外々を回ってきただけのレースとなったが、
ある程度大胆な先行策を取っても良かったのではないかという気がする。
もちろん気性的な問題を抱える同馬がうまく折り合えるかということはあるが、
この馬同様に切れ味よりも持続力で勝負するタイプが上位を占めたレースで
もっと良い結果を出せていた可能性は高いと考えられる。
今回はうまくいかなかったが同世代の中での実力は高いところにいることは変わらず
次戦以降に期待したい。
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