ペース考察
レースのペースを判断するには当然どの馬が逃げるのかが重要となる。
そこでまず好位のポジションをとる(可能性がある)馬を挙げると
以下の6頭あたり。
・レインダンス(武幸)
・ビエンナーレ(三浦皇)
・ポルトフィーノ(武豊)
・エフティマイア(蛯名)
・コスモプラチナ(石橋脩)
・カワカミプリンセス(横山典)
まずレインダンス、エフティマイア、カワカミプリンセスはある程度好位に
つけることは予想されるが、おそらく先行争いを眺めながらというポジションを
キープすると思われるので、直接レースのペースには影響を与えないだろう。
またポルトフィーノは掛かる可能性があるために、武豊は何が何でも馬群の
中でレースを進めようとするだろうし、そもそもそれ程行き脚があるとも思えない。
そうなると先行争いは前走で逃げているビエンナーレとコスモプラチナの2頭に
絞られるわけだが、ビエンナーレの前走は前半3Fが37.7秒というゆったりとした
逃げであって、この舞台は過去の例からいくら遅くても最初の3Fは36秒台前半まで
なので、ここで先行争いできる脚があるとは思えない。
また鞍上の三浦皇は道中でどうにかして脚を溜めようとするタイプなので、
この馬が引っ張る展開はまず想像できない。
そうなると前走もある程度速いペースで逃げて、道中も緩まない展開を作り出し、
最後も4着まで粘り込んだコスモプラチナ以外にペースを握る存在は見つからない。
問題はこの馬がどのような展開を作り出すかという1点に絞られる。
ここ3戦コスモプラチナには石橋脩が乗り続けており、その間のラップタイムを
調べてみる。
3走前・天の川S 1着 1-1-1
12.7-11.0-11.1-11.4-11.9-12.0-12.0-11.8-11.0-13.2
2走前・新潟記念 7着 3-3-3
13.0-11.1-11.6-11.1-12.0-12.4-12.0-11.6-10.8-11.9
前走・アイルランドT 4着 1-1-1-1
12.8-11.2-11.5-11.8-12.0-12.1-12.1-11.1-11.9-11.8
前走と3走前は自ら逃げて道中もそれ程緩まない展開を作り出し、早めに
抜け出そうという鞍上の意図が覗え、そのような場合の方が結果を残している。
それに対して2走前はダイシングロウが掛かったことがあったにせよ、他の馬に
先手を取られ、道中も少し緩んだ緩急の激しい展開となり、結局最後は切れ負け
した形となっている。
そうなると今回も鞍上の思考としてはやはりある程度締まった流れを
作り出そうとする可能性が高そう。
もちろん新潟や東京よりも前半にコーナーを多く回ることになるために、
近3走よりも少しペースは落ちるだろうが、馬群を引き寄せる程に道中の
ラップを落とすとは思えず、向こう正面も12.5秒は越えないくらいの
ペースで引っ張るのではないか。
以上のことからとりあえずの結論は、コスモプラチナがハナを奪って
前半のスピードと併せて考えると、1000mが59秒台半ばor60秒前後の
ミドルペースあたりで流れるのではないか…と。
予想
まず展開に関わらず1強であることは何の疑いもない。
その他の馬の取捨に関して、前半がミドルペースくらいで流れて、
ラストは(少しの切れと)持続力が問われる展開を想定して予想する。
厄介なのは天候による馬場の悪化であるが…。
◎カワカミプリンセス
実力、適性ともにここでは何の文句もない。
展開も速くても遅くても対応できるし、位置取りもかなり融通が利く。
個人的には最近の鞍上に対して不信感を持っているが、この馬で奇襲のような
作戦を実行したら批判されるのは明らかでさすがにやらないだろうし、
正攻法的な騎乗さえすれば腕は確か。
不安点があるとしたらかなりのスローで流れて直線のスピード比べとなる場合
くらいだが、余程しっかりした脚を持った馬でなければ差し切るのはたぶん
不可能だと考えられる。
○ベッラレイア
展開次第ではあるがカワカミを差せるような脚を持っているのはこの馬だけ。
どう考えても2人気ポルトフィーノよりもこちらの方が強いと思うが…。
早めの競馬では全く結果を出しておらず、道中で緩めることが絶対条件。
さすがに鞍上も分かっているとは思うが、前走差し届かなかったことで
もしかしたら積極策を選ぶ可能性も…という不安要素もあるが。
ただ道中でしっかり脚を溜められさえすれば、スローペースで先行馬有利と
なった場合でも、元々脚力が違うので大きな負けはまずないと考えていい。
スローペースよりもむしろハイペースとなった場合の方が脚を溜められるか
どうかという不安点が残るが、そこは鞍上がしっかり抑えてくれることを
期待したいところ。
▲レインダンス
ある程度スローな展開で道中で脚を溜められたら長く持続する脚を使える。
問題は距離と締まった流れへの対応力であるが、馬体的に充実している今なら
克服できるかも知れない。
注ムードインディゴ
今回の予想は基本的に3歳世代が古馬勢に跳ね返される構図で考えているのだが、
同世代の中で挙げるとしたらこの馬。
前走、前々走において、厳しい流れの持久力勝負でも緩んだ末の持続力勝負でも
結果を残しており、ここへの適性は十分持っていることが予想される。
前2走でビッシリ仕上げられた後、中間も問題が報じられて、出来落ちは恐らく
免れないだろうが、ある程度はやれるのではないか。
△トウカイルナ
前半に緩めることが条件だがラストは相当な持続力を発揮できる。
前走も道中こそ緩んだ展開ではあったが、ラスト4Fが11.5-11.8-11.7-11.8
というスピードの持続力勝負を差し切っている。
穴として考えれば面白いかも知れない。
~ハイペースで浮上の可能性~
×エフティマイア
3歳世代の中でも地力は最上位を争えるものを持っていると考えられるし、
ハイペースでラストが持久力勝負となれば十分好走するチャンスがある。
しかし状態面はやはり気になり、昨年も秋~冬にかけて凡走を繰り返して
いるように寒い時期は走らないというめんどくさい存在であるとしたら
かなり危険だと言わざるを得ない。
×レジネッタ
前走の直前まではもう少し自ら動いていけるタイプの馬だと思っていたが、
今となっては単なる他力本願的差し馬のイメージでしかない。
鞍上が個人的信頼度0%の小牧太なのであまり期待できないが、前走と
同じ轍を踏まないための積極策というのも可能性としてはあるが、
やはりある程度の展開の助けが必要だろう。
×マイネレーツェル
他力本願的差し馬でラストまで速いスピードを維持したままゴールを
迎えると厳しくなる。
したがって浮上するには前半のペースが速くなることが条件。
ラスト4Fが12秒前後のラップを刻み続けるような展開となれば好走の
チャンスが生まれる。
~スローペースで浮上の可能性~
×ポルトフィーノ
馬体的には同世代の中では抜きんでている。
しかし距離的な問題からスローになって道中折り合いがつくことが条件。
少しでも締まった展開となればおそらく直線は不発に終わるだろう。
明らかな過剰人気。
×アルコセニョーラ
緩んだ展開から切れのある脚を使うというイメージしかなく、
道中が多少でも締まった流れとなった場合にその脚が使えるのか。
あと持続力という点では疑問を感じる。
~以下~
リトルアマポーラ
何だかやけに人気しているが(ムードインディゴより上位の意味が分からない…)
道中は後方で溜めることでやっとそれなりに持続する脚が使える馬で、
能力的にも勝敗が決してから掲示板争いに加わってくるのが精一杯に思える。
唯一考察すべきポイントは鞍上がルメールへ乗り替わっている点だが、
単純に後方待機の直線勝負なんて騎乗はまずしないだろうし、そうなると
いつもより前目のポジションから"それなり"の脚が使えるのかどうか。
直線半ばで苦しそうに走っているイメージがどうしても湧いてしまう…。
コスモプラチナ
ある程度締まった展開から切れ味で突き放すという競馬が得意だが、
それが上手くいったとしてもここではラストに飲み込まれる可能性が高い。
かと言って本当に締まった流れを作り出したとしても持久力に優れた
馬が何頭もいるのでやはり厳しくなりそう。
ビエンナーレ
スタミナ面では多少有利で持続適性もあるようには思うが、
ここではスピード性能で何枚も劣るイメージになってしまう。
レッドアゲート
道中をある程度緩められたらそれなりに切れる脚を使える。
ただG1の舞台で自慢できるような脚ではなく、ある程度スローに
なったとしても勝負所で他の馬についていくのはたぶん無理。
能力的にここでは何もできない可能性が高い。
アスクデピュティ
元々切れで勝負するタイプで、2走前にはある程度淀みのないレース展開を
勝ち切っているがレースレベルとしては低く、ここには能力的に壁があると
見て間違いないだろう。
ピサノジュバン
さすがにここではスピードが足りない。
追走で精一杯のはず。
外国馬に関して
・フェアブリーズ
・トレラピッド
持続力という点では日本馬よりも優れている可能性はあるが、
スピードは未知数だし、とにかく重賞を勝ち切れない程度の馬には
ここで活躍して欲しくない。(願望)
今回は強いのかも知れない3歳牝馬世代のトレラピッドをヒモ扱い
する程度に抑えようと思う。
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