2008年12月28日日曜日

有馬記念展望 2008


予想
まず前回の記事の補足から。
有馬記念は向こう正面の下り坂からスピードが上がって、ここで好走するため
には相当な持続力と持久力が必要だとした。
もちろんそれは間違いないのだが、もう1つ「勝ち切る」ための条件として、
勝負所での切れ味を持っていること、というのを挙げておきたい。

4コーナーで一気に突き放してその脚をある程度持続できるのであれば、
直線の短い中山ならそのままゴールまで駆け抜けることが可能。
これこそが有馬記念の勝ち馬像にもっとも近い走りであって、マツリダゴッホが
中山で勝ち続けている理由である。

もちろんある程度速い流れからもう1段加速するということは、相当な持久力を
持っていなければ難しいことだが、最高峰の舞台の勝ち馬の選定ということを
考えれば、それくらいの強さはあっていい。

今回の予想で1番難しいのは、ペースや流れではなくて、各馬のポジション争いが
どうなるか、といった点。
出走メンバー&鞍上を見渡せば、好位で内のポケットに潜り込みたい組み合わせ
ばかりが目立つ。

ざっと挙げると内から
カワカミプリンセス、(コスモバルク)、(エアジパング)、(フローテーション)
(エアシェイディ)、アルナスライン、(スクリーンヒーロー)、
(メイショウサムソン)、マツリダゴッホ、(アサクサキングス)
( )はそこまでこだわらない、もしくは行き脚はないが可能性は…という馬。

言ってみればマツリダゴッホの競合相手がこんなにもいる。
カワカミ&横山典は内枠を活かす競馬をするだろうし、
エアジパング&フローテーションは行き脚が足りないとは思うが、積極策を
選択しそうな藤田&ルメールという鞍上。
エアシェイディも同様に積極策・後藤。
アルナスラインは陣営も積極策名言で、鞍上がペリエなので内ポケット狙いは確実。
スクリーンヒーローは内にはこだわらないだろうが、先行策は確実なので
その争いに一枚絡みそう。

ポジション争いの激化が予想され、そのようなレースで結果を出すのはどの馬か?
と考えたら、それはおそらく、その渦中以外の全く関係のないところでレースを
進めた馬か、そのポジション争いを制した馬ということになるだろう。


◎ダイワスカーレット
激しいポジション争いをしそうな先行勢を尻目に、アサクサの出方次第では
楽々一人旅という展開もあり得る。
そうなればやるこは1つで上手く流れを落ち着かせての切れ&持続力勝負。
それをやるのに問題となるのは折り合いだけ。
この馬についてはそれ程多くを語らなくても、どんな結果でも受け入れられる。
これだけの馬が牝馬限定G1だけしか獲ってないのも納得できないし、
書面上でもウオッカとしっかりと肩を並べるためには有馬の栄冠は必要。
そして安田記念、スプリンターズS、天皇賞…牝馬の1年と言われる今年の
ラストを締めくくるならこの馬の勝利で誰もが納得するはず。
大いに期待を込めて。

○スクリーンヒーロー
持続力に関してはここではナンバーワン争いをする存在で、好位につけることが
できるのもここでの条件には合う。
問題は道中が厳しい流れになったときのパフォーマンスと勝負所での切れ味。
前者は単純に経験したことがないというだけで、実際には対応してしまう可能性も
あって、そもそも有馬記念は1~2コーナーで一旦流れが落ち着くことが多く、
ゆったりとした流れからのロングスパート持続力勝負であれば力は証明済み。
この馬にとっての1番の課題はやはり後者の方であり、勝負所における力のある馬の
一瞬の加速で突き放されてしまうと、東京の時のようにジワジワ追い上げるのは
少し難しく、勝ち切るかどうかということを考えたら厳しいかもしれない。
ただ切れ味は鋭くてもラストが止まるような馬にはまず負けないので、その点だけは
注意しておかなくてはならないし、大崩れはまずないと思っておいた方がいい。
もしゴッホあたりをマークなんかしないで、本気で内の好位のポジションを取りに
行ったら、早めに動いての持続力勝負で頭まで…というのは何とか考えられる。

▲マツリダゴッホ
能力、適性云々という話はもはや必要ない。
勝負所まで息を持たす持久力と勝負所での切れ味はやはり1番。
問題はどう捌いて良いポジションを取ろうとするのか、ということ。
蛯名は基本出たとこ勝負みたいなことを言っているので、昨年または今までの
中山での好走のときのように内~中でうまく折り合った競馬ができるだろうか?
万が一外々を回らされるようなレースとなったら、一気に突き放すところまで
できるかどうかには疑問が残る。
本来は本命の扱いをすべきところだが、有馬連覇…この馬が?
それが結論。

注アルナスライン
超大型の馬だが、どうしても前に行きたいような馬はこの馬よりも外枠に入り、
内側には行き脚の足りない馬が多いので、鞍上もペリエなら上手く内の良い
ポジションに潜り込めそう。
激しい先行勢のポジション争いに勝つのはこの馬の可能性は高い。
(カワカミが控えたらより楽な展開に…)
あとの問題は勝負所での切れ味と末の持続力ということになるが、まず切れ味は
まずまずのものは持っているが、瞬間的に加速するという感じではない。
また持続力もある程度はあるが、少しもの足りない印象を受ける。
(勝ち切れないのは持続力が足りない証拠)
アンカツはあまり内を閉めないような乗り方も多く、そこを鞍上の腕で上手く
捌ければ…可能性はある。
(ただ何もできずに回ってくる可能性も同じくらいある…)

△アサクサキングス
勝負所での切れ味だけならここでは屈指の存在だが、持続力がない。
これは大阪杯を見れば良く分かり、ダイワをも凌ぐ切れ味を発揮しているのに
最後はしっかりと脚が止まっている。
この馬にできることは、天皇賞のときもJCのときも書いたような気がするが、
先行して(逃げでも)、勝負所で突き放すことのみ。
その2走は中途半端なポジションから誰にも見られていないところでこっそりと
切れ味を発揮しているという無意味なレースっぷりだった。
特に前走は積極策を期待してのルメールだった訳だが、鞍上がそれをしなかった。
そのような経緯での鞍上の乗り替わりなので、今回陣営が積極策指示は明白。
ただ今回外枠に入ってしまい、唯一の救いはダイワがこの馬の外に入ったことだが、
行き脚だけならダイワにも負けない速さがある馬なので、本気で逃げようという
気持ちさえあればチャンスが生まれるかもしれない。
しかしもしあっさりとダイワに先手を取られて外目を回るような競馬をしたら
勝負所での切れ味で一瞬見せ場を作っても、最後まで続かずに掲示板がいいとこ。

△カワカミプリンセス
前走は最後までスピードが落ちない展開で、持続力&持久力に優れたこの馬には
はっきり言って向かないレースだった。
ここでは地力を活かして上位に残る可能性はあるが、切れがない馬だけに
頭を争っているところまでは少し厳しいだろう。

×フローテーション
実力不足は否めないが、もし上手く先行できたら切れ&持続力勝負は得意な方。
流れは合っているが、相当な展開&鞍上の助けが必要だろう。

☆メイショウサムソン
お疲れ様でした。





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