レース総括 |
■馬場を考慮すれば前半はかなり遅い流れ |
■スピードの持続力からラストの持久力が試される展開 |
■持久力勝負限定・世代交代劇 |
フェブラリーS結果
1 | サクセスブロッケン | 1.34.6 | 35.4 | 02-03 |
2 | カジノドライヴ | 1.34.6 | 35.6 | 02-02 |
3 | カネヒキリ | 1.34.6 | 35.3 | 04-04 |
4 | エスポワールシチー | 1.34.8 | 36.0 | 01-01 |
5 | フェラーリピサ | 1.35.0 | 35.7 | 04-04 |
6 | ヴァーミリアン | 1.35.1 | 35.6 | 07-07 |
天候:晴 芝:稍重
上り4F:47.6 3F:35.8
前半4F:47.0
12.7-10.5-11.9-11.9-11.8-11.3-12.1-12.4
レース詳細
馬場状態を考慮してラップを見れば、エスポワールシチーに並びかけるような
馬がいなかったために、前半は例年よりかなり遅くなった。
その一方で速い馬場状態を差し引いても道中はおそらく速く、スピードの
持続力が試されるような展開で、仕掛けも例年より早くなったために、
ラストは相当な持久力が問われる流れだった。
またラスト3Fの勝負所では一気にペースが上がっており、相当な切れ味が
必要だったようにも見えるのだが、実際には早い仕掛けでその後は
(馬場状態を考えれば見た目以上に)ラップがかなり落ち込んでいて、
切れ以上にラストを粘れる持久力の方が必要だったと言える。
この展開を最も味方につけたのが勝ったサクセスブロッケンで、今まで
勝負所での切れが全く見られずに負けていた馬が、持久力争いで一気に
頭まで突き抜けた形。
実際に今回も勝負所では置かれていてほとんど加速はしていないのだが、
ラストがかなりラップの落ちる展開となったことで持ち味が活きた。
したがってここで結果を出したからと言って、次戦以降で良い結果を
出せるとは思えず、(切れが問われる展開では特に)
そんな簡単に世代交代などとは口には出せない。
しかし少なくとも持久力戦においては、ヴァーミリアンに匹敵する力を
持っていることをJBCの時に証明していた訳だし、今回この展開では
1番強いと考えられるカネヒキリを破ったことは非常に価値が高く、
(持久力勝負という)条件付きで世代交代と言ってもいいかも知れない。
最後に1つ。
今回カジノドライヴは勝負所での加速に楽々ついていき(切れがある馬
なので当然だが)、尚且つラストも粘りを見せ、クビ差の2着。
次の世代の頂点に立つのは、切れ味&持久力を併せ持ったカジノドライヴ
という考えは変わらない。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
サクセスブロッケン
上記のようにラストが持久力争いになったことが大きい。
そこをしっかりと我慢できるのは力の証明に他ならないのだが、
この先もう少し切れ味を問われるような流れに対応できる気があまりしない。
したがって同世代にカジノドライヴがいる限り、この馬が本当の頂点に
立つのは難しいのかもしれない。
レースが勝負所を迎える前に自ら圧を掛けていけるくらいまで強くなれば
その可能性もなくはないが…。
カジノドライヴ
ラスト3Fでエスポワールシチーが一気に加速して突き放しに掛かったとき、
カネヒキリ、サクセスブロッケンが置かれ気味だったのに対して、この馬は
馬なりに近いような走りで楽について行った。
これはその時点で余力が残っているというのは当然だが、それ以上に相当な
切れ味を持っていなければ出来ないこと。
さらに安藤勝がギリギリまで待って仕掛けたことも大きいが、ラストの
持久力勝負にも対応して見せた。
JCダート以降しっかりと調教を積んで馬が確実に変わってきてはいるが、
まだまだ完成まではいかない状態で、どちらかと言うと切れるタイプの馬が
これだけ厳しい持久力争いをこなしたというのは凄い。
もっと成長して調教を積めばこの馬がダートの頂点に立つのは間違いない。
カネヒキリ
スタートは(その後の動きで何とか対応したものの)やはり悪く、勝負所でも
少し切れのなさを露呈してしまったり、所々で近3走と比べてスムーズさを
欠いたというのが敗因だろう。
その辺が上手くいけばまだまだ4歳世代を封じ込める力はあるはずだが、
この先成長する相手に対して、さすがに上積みは期待できないこの馬が
完全に逆転されるのも時間の問題かも知れない。
エスポワールシチー
この馬がラスト3Fで息を入れさせない流れを演出したためにレースとしては
非常に面白いものとなった。(そこは感謝したい)
ただしこの馬自身は地力勝負よりもどちらかと言うと切れで勝負したい馬なので
ギリギリまで我慢するようなレースを選択していたら、もう少し際どい勝負に
なっていたかも知れない。
それでもこの馬のスピードとその持続力は大したもので、この先も最強レベルに
入っても十分やっていけるのは間違いない。
フェラーリピサ
仕掛けが早い展開となって、切れ味勝負にならなかったのはこの馬にとっては
良い材料となった。
それでもラスト1Fは前に離されているように見えるので、勝ち負けの馬達とは
地力の違いがはっきりとしてしまった感がある。
この先もG3くらいならダントツで主役を張れる力があるが、このメンバーを
相手にするG1では3着争いまで、という気がする。
ヴァーミリアン
エスポワールシチー&佐藤哲のレースマネージメントに完全に潰された感。
つまりラスト3Fからの仕掛けという展開になったことで持ち味が消された。
本来はラスト4F~3Fのペースが遅い区間を馬なりで追走してポジションを上げ、
そこで少し楽をした分、次の1Fで爆発させるというのが勝ちパターン。
それが今回は楽を出来る箇所がなかったのに加えて、かなり早い段階から
脚を使わされたことで最後まで脚を伸ばせず、結局周ってきただけなように
見える結果に終わった。
(他のどの馬よりもダートでの切れ味を持っているはずの馬が勝負所で
置かれ気味という映像は少し衝撃的だった)
今回は結果は出せなかったが、状態そのものは良く見えたし、展開さえ合えば
この先もまだまだやれるはず。
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