レース総括 |
■道中が緩まずにラストは持続力が問われる流れ |
■先行して押し切った勝ち馬は素直に評価できる |
NHKマイルC結果
1 | ジョーカプチーノ | 1.32.4 | 34.7 | 02-02 |
2 | レッドスパーダ | 1.32.7 | 33.7 | 04-04 |
3 | グランプリエンゼル | 1.33.0 | 34.1 | 03-03 |
4 | マイネルエルフ | 1.33.1 | 33.9 | 05-05 |
5 | フィフスペトル | 1.33.3 | 34.2 | 05-05 |
6 | ワンカラット | 1.33.3 | 33.5 | 16-17 |
7 | タイガーストーン | 1.33.3 | 34.0 | 09-08 |
天候:晴 芝:良
上り4F:46.9 3F:35.2
前半4F:45.5
12.2-10.8-11.3-11.2-11.7-11.5-11.7-12.0
レース詳細
ラップタイムを見れば前半は例年通りくらいの流れからその後の4、5F目の
ラップがほとんど落ちてなくて、相当に厳しい流れだったように見える。
しかし当日はかなり速い馬場だったことは明らかで、それを考慮しても道中の
速さは間違いないが、前半はむしろ例年よりも遅いくらいの流れだったと
理解して良さそう。
そう考えると(離れた)好位の馬はともかくそれよりも後方の馬にとっては
あまりにもペースを見込み過ぎた感が否めない。
前半で相当控えたことで前との差が拡がり過ぎてしまい、4コーナーに差し
掛かっても差が詰まらなかったことで、結果的に道中の緩まない流れを
(それ以上の速さで)追いかけるハメになった。
そうなってはラストの脚が鈍るのは当然で、結局ラスト3Fでは後方の馬よりも
良い脚を使っている好位の馬がいるような始末。
それに対して2番手につけた勝ち馬は、前半で少し飛ばした後は道中から
ラストまで11秒台半ばを刻み続けるような、自身の持ち味である持続力を
最大限に発揮できた形。(もちろんそれが出来るのは凄いことだが)
また3~5番手につけて好走した馬にとっては前半はミドルペースくらいで
流して、道中はじっくりと脚を溜めて、ラストは満を持した仕掛けから
それぞれの切れ味を発揮した形。
つまりこのレースでは好位5番手くらいでも道中を控えれば十分に脚が
溜まるような展開だった訳で、実質そのあたりが"差し"のポジション
だったと言えて、それよりも後方の馬はそもそも土俵に上がっていない
ようなものだった。
結局今回のレースでは、道中緩まない流れを先行して押し切った勝ち馬の力は
当然認めていいが、それ以外の好走馬に関しては道中で楽をしている分持久力の
面での信頼はそれ程できないし、ましてや参考外の後方の馬の実力を現時点で
計るのは難しい。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
ジョーカプチーノ
スプリント重賞を制しているわけだしこの流れには対応できて当然だが、
ラストのスピード持続力は本当に大したもの。
そしてそれを支えるのがこの馬の持ち味である持久力の高さであって、
相当に心肺機能が優れていなければ出来ない芸当。
マンハッタンカフェ産駒にはこの馬のように一定のスピードを刻み続けるのが
得意なタイプが多いが、短距離ではそのスピードに対応できなかったり、
中距離ではそれが一本調子ということにつながって決め手に欠けたりして、
なかなか結果に結びつかないこともしばしば見られる。
しかしこの馬の場合はその持久力に加えて、スプリント戦のスピードにさえも
受けて立てる力(筋持久力)を持っていて、その2つの併せ技によって
これだけ幅広い活躍ができている。
当然この先も期待していいと思うが、よりレベルの高いマイル戦では厳しい流れ
から更に加速するような展開となることが多く、勝負所での切れ味も必要に
なってくるので、将来的にはスプリント路線の方が可能性は高いとは思う。
レッドスパーダ
好位につけて道中でしっかりと脚を溜めて、ラストは満を持しての追い出し。
(結果的に)疑問符が付く騎乗となってしまった他馬とは対照的に、この馬に
関しては鞍上の好騎乗が光っていた。
ただしそれ故に他の馬以上にこの馬の地力を信頼することは出来なくて、
道中がもっと厳しい流れとなることが予想されるレースではより慎重に考察
する必要がある。
マイネルエルフ
最後はある程度伸びてきていて4着を確保したが、今までのレースで見せた
持久力&持続力を考えれば、ジョーカプチーノと並ぶくらいかその直後に
位置していればもう少し浮上できたように思う。
もともと速い脚には不安があった馬だけに少し溜め殺した印象に映る。
ワンカラット
道中もしっかりと脚を溜めて最内を突いたというのも大きいが、それでも
後方からの馬の中では最先着している訳だし、かなり良い脚を使っていて
前走の桜花賞に引き続き上がりの性能をさらに更新した形。
それでもこの流れなら今までに見せている地の強さを考えたらもっと前の
ポジションでも対応できただろうし、兄弟でワンツーを決めていた可能性も
十分だっただけに少し残念な結果ではあるが、どれだけ控えても伸び悩む
牡馬を尻目に上がり最速を使っているあたり、今後の可能性をさらに
感じさせるような内容ではあった。
アイアンルック
致命的な不利がありながら最後は8着まで巻き返したこと事態も評価できるし、
もう1度立て直して伸びて来るあたりやはり持続力はかなりのもの。
それでも結局この結果は位置取りによるところが大きく、この馬に関しては
もう1度そのパフォーマンスを見守りたい。
0 件のコメント:
コメントを投稿