2010年6月30日水曜日

宝塚記念回顧 2010


レース総括
■ハイペースから、道中もある程度淀みなく、終いはロングスパートの展開
■持久力&持続力勝負


宝塚記念結果
ナカヤマフェスタ2.13.0 35.8 10-11-08-06
ブエナビスタ2.13.1 36.3 04-03-05-04
アーネストリー2.13.2 36.6 02-02-02-02
ドリームジャーニー2.13.3 35.9 11-11-12-12
ネヴァブション2.13.5 36.4 08-07-11-06
メイショウベルーガ2.13.5 35.9 13-14-15-14

天候:晴 芝:稍重
上り4F:48.4 3F:36.5
前半1000m:60.0
12.4-11.1-11.3-12.7-12.5-12.3-12.3-11.9-12.1-11.9-12.5




レース詳細
やや時計の掛かる状態だった馬場を考慮しつつラップタイムを見ると、前半が
かなり速くなり、1~2コーナー付近では一旦落ち着いたものの、向こう正面は
淀みなく流れて、ラスト4Fからの加速である程度速いラップを刻みつつ、終いの
部分だけ少し落ちる形。

今回の特徴はまずは前半の速さで、額面上でも昨年同等、実質的にはそれ以上の
ハイペースだったのにも関わらず、有力馬が積極的にポジションを取りに行った
ことで、その部分でほとんどの馬が脚を削られて、レース後半では持久力が物を
言うことになった。

また向こう正面のまずまず締まった流れから、勝負所では後続が早めに動き、
アーネストリーが逃げ馬に圧力を掛けたことで、形としてはロングスパートの
展開となったため、終いの部分ではかなりの持続力が必要になった。

この展開の中で、ギリギリまでじっくり待つ形だったのならともかく、積極的に
捲くって行って勝ち切ったナカヤマフェスタに関しては素直に評価すべきだし、
厳しい流れを好位から粘った2頭の、今後の活躍にも当然期待したいところ。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ナカヤマフェスタ
純粋な持久力ということなら、あのダービーを差し込んで来たという事実だけ
でも世代屈指の存在であることは間違いないし、その後のセントライト記念の
ロングスパート戦では一定の持続力を示していた。
それを受けて(個人的に)本命にした菊花賞では惨敗し、続く中日新聞杯の
スピードレースを完敗したことによって、正直スピード耐性を疑い、活躍を
期待できるのは、中距離の極端にスピードを問われない持続戦⇒最も合いそう
なのは重賞も獲っている中山2200mあたりで、この馬の位置付けとしては、
マツリダゴッホの後継者くらいに思っていたので、今回はそれを見事に覆え
されてしまったという感覚…本当に素晴らしいパフォーマンスだった。
(特に持続力に関しては想像以上だった…)
タイプ的に凱旋門賞が合うかどうかは何とも言い切れないところだが、この先の
活躍には当然期待したい。

ブエナビスタ
前半に関しては明らかに過去最速で入っていて、今回の流れでそこまで無理を
する必要があったのかどうかはともかく、しっかり2着を確保しているあたりは
改めて地力の高さを証明した形。
この馬の場合、一瞬の切れはともかく、速い上がりも持続力も問題なく、古馬の
有力中距離G1でこれ程に前半の速いレースは他にないので、正攻法でも次の
機会では、当然しっかり勝ち切ってくるだろう。

アーネストリー
速い流れを終始2番手から相当な持久力を発揮しての3着だが、鞍上も前半で
温いペースでの逃げを許さず、3~4コーナーで早めに動いて行って、後続の
脚を消しつつ、この馬の持ち味を活かした見事な騎乗。
実際に周辺にいた馬はほぼ潰れているし、単純にブエナビスタにだけは通用
しなかったというだけ。
強いて言うならば、道中と上がりのバランスからはあと1つ道中を締めても良い
計算だが、これ以上厳しくすると持続差しが嵌り過ぎる展開になって、勝ち馬が
余計に喜びそうなので、現状ではここがギリギリのパフォーマンスだろう。
それでもドリームジャーニーあたりはしっかり抑え切っている部分は、この先の
飛躍へ向けての裏付けとしては十分なものだし、速い上がりを使えるタイプでは
ないので、ある程度決め手が問われる舞台では注意したいところではあるが、
今後もさらに注目しておきたい存在。

ドリームジャーニー
勝ち切った昨年と比較すると明らかに前半で引っ張られ過ぎていて、最後は
さすがに高い持久力を発揮して浮上してきてはいるが、突き抜けるだけの脚は
残らなかった。
したがって今回は、状態面の問題もあるのだろうが、それ以上に適性面の問題
という捉え方は出来そうで、この先もまだまだ出来ていいはず。
ただし(個人的に)2010年はこの馬がブエナビスタを抑えて勝つことは基本的に
ないと踏んでいるので、その考え方はこの先も継続したい感覚。

ネヴァブション
持久力も持続力も高く、最後も良く粘ってはいるが、馬場が予想以上の早さで
回復して、レースがスピードよりに傾き過ぎたのが痛いところ。
それでもしっかり掲示板を確保しているあたりは地力を証明しているし、今後も
適鞍を見極めた上で狙いたい1頭。

メイショウベルーガ
さすがにこのメンバー相手の持久力勝負では1つ劣るが、それでも終いまで
しっかり伸び切っていて、やはり持続力は相当なものを持っている。
これから秋に向けて、どのような過程を辿るのかは分からないが、素直に
エリザベス女王杯を待ちたい。

ジャガーメイル
前半で引っ張られて、そこで脚を削られたことが全て。
とにかくこの馬の適性を考えたら、これだけの速い流れの中ではしっかり
控えても微妙なところを、押してまで好位を取りに行った意味は謎で、自ら
持ち味を消してしまった印象を受ける。
一応今回は適性負けという捉え方をしておけば、脚を使わない程度の道中から
(その意味では距離延長など)終いの切れ&持続力を活かせる舞台での巻き
返しに期待したいところ。


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