レース総括 |
■前半~道中緩い流れからの、超ロングスパート戦 |
■持続力&一定の持久力が問われた |
天皇賞結果
1 | ヒルノダムール | 3.20.6 | 35.3 | 09-08-07-06 |
2 | エイシンフラッシュ | 3.20.7 | 35.2 | 09-10-10-08 |
3 | ナムラクレセント | 3.20.9 | 36.3 | 11-10-01-01 |
4 | マカニビスティー | 3.21.1 | 35.4 | 12-12-13-12 |
5 | トウカイトリック | 3.21.1 | 35.1 | 17-17-18-16 |
6 | マイネルキッツ | 3.21.2 | 36.4 | 03-03-02-02 |
7 | ビートブラック | 3.21.3 | 35.8 | 06-05-10-08 |
8 | ペルーサ | 3.21.3 | 36.1 | 06-07-07-06 |
天候:曇 芝:稍重
上り4F:47.7 3F:36.0
4F毎ラップ:50.8-51.4-50.7-47.7
13.2-11.7-12.9-13.0-13.4-12.5-12.9-12.6-13.9-12.6-12.0-12.2-11.7-11.4-12.1-12.5
レース詳細
ラップタイムを見ると、前半かなりゆったりした流れになり、1周目のスタンド
前~1コーナーに掛けては一旦速くなっているものの、やはり例年よりも遅い。
その後コーナー部分で緩んだ後、向こう正面で一気にペースアップ、勝負所まで
徐々に加速して行き、ラストは右肩下がりの展開になっている。
今回は多少時計の掛かる馬場だったことを考慮しても、前半ゆったりと流れて、
それを感じた各馬(鞍上)が次々と仕掛けていく、ロングスパート合戦の様相。
最近の淡白にも感じる競馬に、そろそろ慣れてきた目から見ると、非常に面白い
レース展開だった。
この形ではやはり動かなかった者勝ちという面も大きくて、実際に上位は道中で
控えていた馬が基本的に占めた訳だが、しっかりペースを守らせた鞍上の判断は
競技的な側面から考えたらもちろん素晴らしいものだった。
ただそれとは反対にスローを積極的に押し上げて行く、勝負に徹する判断をした
方の鞍上にも、今回は素直に拍手を送りたい感覚。
適性面では、今回の場合は当然高い持続力を持っていることが重要になったが、
長い距離を走ってからの早仕掛けということで、一定の持久力が問われたのは
確かで、自らペースを押し上げた馬の中で唯一粘り込んだナムラクレセントは
もちろん、展開的に嵌った感のある馬に関してもある程度は認めていいはず。
また今回、積極的な競馬で敗れた馬に関しては、この内容によってこれまでに
示したパフォーマンスの価値が下がるという訳ではなく、次戦以降での巻き返し
というのは十分期待していいだろう。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
ヒルノダムール
コース&展開を考えたらほとんど完璧な挙動だったという印象で、今回惨敗した
馬に対しても、次戦以降、確実に上回れるかと言ったら微妙なところではある。
それでも今回、長い距離であってもこれくらいの持続型のレース展開であれば
十分できる…ということを示した点は収穫。
この先も極端に速い上がりが問われず、他の馬が程々に止まるような舞台では
積極的に狙っていけそうな雰囲気ではある。
エイシンフラッシュ
展開的には嵌った形だが、前走の内回りの締まった展開に続いて、長い距離も
しっかりこなせたことは大きい。
とにかく切れ味で世代トップに躍り出た馬が、一時の不調期こそあったものの、
不得手(だと思われる)条件を次々と克服していく過程は、歴代の名馬が歩んだ
ような道と被っており、そろそろ再度頂点に立ちそうな雰囲気が漂ってきた。
精一杯に期待したい。
ナムラクレセント
スタートで立ち遅れながらも、2コーナー~向こう正面での一気の捲くりから、
レース後半の締まった展開を自ら演出する形で粘り込んでいて、持ち前の持久力
&持続力を十分に発揮した格好。
とにかく今回は(一瞬の切れに問題を持つ)この馬の適性をしっかり捉えていた
という点もそうだが、道中で一旦レースが動き、それが落ち着きかけたところで
仕掛けるという、鞍上・和田Jの絶妙なタイミング…ということに尽きる。
名手とは…と考えた時、「馬を御す」という最も基本的な観点からは、自分の
ような素人には全く&おそらく永遠に分からないだろうが、ラップなどから
感じ取れる「適性」を重視する(個人的な)スタイルからは、その馬に合った
タイミング&位置取りを取れる騎手こそが名手だと思うし、そういう判断しか
結局は出来ない。
その意味で、今回の和田Jのような騎乗こそが、名手のそれだとも感じるし、
そんな騎乗にこそ、心から称賛を送りたくなる。
マイネルキッツ
序盤はトゥザグローリーをマークするような形だったので、そうなれば当然、
自然と積極的な内容になり、3コーナー手前からは目標をナムラクレセントに
切り替えて、やはり早め早めの競馬。
それを考えれば、ギリギリ掲示板を外した結果でも、まずまず粘った内容だった
と言えそうで、持ち前の持久力&持続力を十分示した…という雰囲気。
またしばらくは適鞍に恵まれない日々が続くとは思うが、今回これだけ出来る
のであれば、年も年だが、もうしばらくは期待していいのかも知れない。
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