2011年6月10日金曜日

安田記念回顧 2011


レース総括
■前半~道中がかなり速く、仕掛けも早めという厳しい展開
■スピード持続力&持久力が問われた


安田記念結果
リアルインパクト1.32.0 34.5 03-03
ストロングリターン1.32.0 33.8 12-11
スマイルジャック1.32.1 33.7 14-15
クレバートウショウ1.32.1 34.6 03-03
ジョーカプチーノ1.32.1 34.9 02-02
アパパネ1.32.2 34.5 08-06
リディル1.32.3 34.3 10-10
シルポート1.32.4 35.4 01-01

天候:曇 芝:良
上り4F:46.6 3F:35.0
前半4F:45.4
12.3-10.7-10.9-11.5-11.6-11.2-11.6-12.2




レース詳細
ラップタイムを見ると、前半が相当速く、道中もかなり締まった展開で、ラスト
3Fで一気に仕掛けた後は、ほぼ一直線にラップの落ちていく形。

今回の特徴は、とにかく前半~道中が速くなったことで、道中でほとんど息を
入れる場面もなく、ラストは完全に持久力&持続力勝負というレースだった。

その中でも今回の場合、ラップ的に10秒台~11秒台半ばまでのスピード領域での
戦いになったことで、特に後者の持続力(筋持久力)という部分が重要になった
イメージで、溜め→切れとかではなく、とにかく一気に走り切れるという能力が
問われた印象。

脚質的には、基本的に好位から進めた馬が残ったという中で、中団以降から2、
3着馬が突っ込んできた訳だが、やはり今回の場合、道中締めつけられた展開
でも粘れるor伸びて来れるか…という部分で、前半の位置取りよりもスピード
耐性という適性面の方が、結果への影響が大きかったように思う。

何はともあれ、今回はリアルインパクト&種牡馬ディープインパクトの(大昔の
ことは分からないが…おそらく)最年少&最速古馬G1制覇という部分に尽きる
のだが、(本番までの厳しいレースが例年以上に多いにも関わらず)弱いと言わ
れている、現3歳世代の馬がそれをやってのけたというのは興味深い。

元々(牝馬も含めて)マイル路線に関しては軸がしっかりしている印象で、強い
という可能性は十分あったが、実際に厳しい展開だったNHKマイルCから、
古馬頂点・安田記念へつながったということになれば、そこで勝利して来週出走
予定のグランプリボスも(大本命が再度ハイペースで飛ばす可能性もありそうな
だけに)当然期待が高まる。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

リアルインパクト
前走・NHKマイルCや朝日杯FSでも、厳しい展開での浮上は示しているが、
今回は道中の水準が2枚も3枚も上のレベルの展開を好位から進めて押し切った
訳なので、軽斤量というのはあったにしろ、一気にパフォーマンスを更新して
きた…という印象。
安田記念に挑戦する3歳馬自体がそもそも少ないために、比較は難しいのだが、
とにかく現段階でこれだけの内容が示せるのであれば、秋の活躍はどうやっても
期待したくなる…という雰囲気。
(それにしても血統表の母系が5代で空白になるのは気になる…これが活力!?)

ストロングリターン
相対的に見れば前半は受け流した格好だが、道中でかなり脚を使う形からでも、
(持ち味である)終いを伸び切るという部分は示していて、マイルG1でそれが
出来たというのは相当価値が高い。
当然これはこの先、G1レベルの扱いが必要になりそうだし、個人的にしっかり
イメージを更新しておきたい感覚。

スマイルジャック
昨年と比べると前半はしっかり控えた形で、道中~上がりに掛けてしっかり脚を
伸ばしたという内容。
やはり引っ張られる展開で浮上する地力は持っている…といったところだが、
それでも(外に持ち出すのに時間を掛けているとは言え)キッチリ前を捕らえ
切るだけの持続力まではない…というのも事実。
G1一歩手前というイメージは結局覆らなかったという雰囲気で、この先も期待
し過ぎず、軽視し過ぎずという扱いを継続させたい。

ジョーカプチーノ
番手から進めて、前半~道中でしっかり脚を使い、形としては一本調子に近い
内容だったが、最後までしっかり粘っているし、この馬自身高いパフォーマンス
だったと言えそう。
やはりこの馬の場合、マイルではもう少し溜めが欲しいイメージで、この状態で
単純に距離短縮となればすぐにでも狙えそうな雰囲気。
個人的にも阪神1200m<中山1200mの印象はあるので、秋は当然期待したい。

アパパネ
ヴィクトリアマイルと比べると、前半はほとんど変わらないか少し控えたくらい
だが、道中は極端に脚を使っている内容を示していて、終いを伸び切れなかった
というのも仕方のない部分。
今後この水準を克服してくるのかどうか…しっかり注目したいところだが、秋の
目標がエリザベス女王杯…というのは少し残念ではある。

シルポート
東京新聞杯との比較では、道中で脚を使った分、上がりを少し落としたという
内容だが、パフォーマンス的にはこの馬の力は出し切っている。
単純に前半をゆったり入れる舞台での巻き返しに期待したい。


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