予想
確実に逃げるというタイプが不在だが、メンバー中で常に積極的な競馬をする
アーネストリーが、天皇賞で外枠から中途半端な内容になったことを考えると、
再度外目に入った今回、行き切る選択をする可能性もありそう。
また仮にトーセンジョーダン、キングトップガンあたりが先手を取ったとしても
基本的に展開を締め付けたいアーネストリーの存在によって、番手から圧力を
掛けられるはずなので、結局はそこそこの流れにはなるのかも知れない。
したがって今回は、昨年のようなスローにまではならない想定をして、この舞台
らしく高い持久力&持続力を備えたタイプを、素直に選びたいイメージ。
◎ブエナビスタ
この名馬がパーフェクト連対ながら取り逃し続けているグランプリの称号だが、
有馬記念に関しては、'09年の厳し過ぎる展開でも好位から粘り込み、'10年の
スロー→持続力勝負でも包まれたポジションから最後しっかりと詰めており、
ともに逆境の立場ながら確実に勝ち負けを演じている。
つまり過去の敗戦は全て負けて(最も)強しの内容ばかりで、そろそろ展開と
位置取りが噛み合うパターンが出現してもいいのでは?と思える頃合。
基本的には筋力筋力で押し通すというよりも、純粋な持久力を活かしたいタイプ
なので、自身の適性としては、要所要所でイチイチ負荷の掛かる小回りよりも
大回りコースの方が結局合うのだろうが、馬体写真からはやっとこの馬らしい
仕上がりになり(つつあり)、本命に推すことのできる最後の機会…と考えたら
やはりこの馬しか選べない。
○オルフェーヴル
水準かなり高い菊花賞の内容からも、相当な持久力の持ち主であることは間違い
ないし、切れも持続力も一級品。
皐月賞@東京…とかは特に気にする必要はないはず。
ただ実際に負担の掛かる小回りロングスパート戦を捲くって、尚且つ直線も伸び
切り、古馬一線級を全て交わしきれるか?と考えると、確信までは持てない…。
過去の3冠馬と比べても、(「4歳最強世代論」がまだ生きているのであれば)
これ程相手が揃った有馬記念に臨んだ例はおそらくないし、ディープインパクト
でもハーツクライに押し切られてしまう舞台。
単純にブエナビスタ>ハーツクライと(個人的に)考えれば、オルフェーヴル>
ディープインパクトでなければ勝てない…という構図かも。簡単ではないはず。
▲ヴィクトワールピサ
昨年は自らロングスパートを仕掛けてそのまま押し切った内容で、(その後の
中山記念やドバイWCでもそうだが)どこまでも続く長い脚が持ち味。
当然ここへの適性は高い。
前走に関しても、出遅れて何もせずに離れた後方というポジション、そのツケを
払うために道中を2400mのペースではない水準で追い掛け、さらにコーナーでは
大外を回る…という伸びる訳ない形ならば、度外視していいはず。
今年の場合、枠的にブエナビスタがすぐ直後にいる可能性が高そうで、昨年の
再現はなかなか難しそうな印象ではあるが、一応は巻き返しの方に期待したい。
注エイシンフラッシュ
ダービーでの切れ以来、突き抜けるような要素を示せていないが、切れ&持続力
&持久力はそれぞれ一定のものを示していて、総合力では当然上位に扱える。
自ら展開を動かして勝ち負け…とかがないので、適性的にここで主張できるかは
微妙だが、とりあえずここは、(結果的に内しか伸びない特殊な展開に嵌った)
前走からの巻き返しを期待できる場面。
出来に関しても、ここへ来て漸くバランスが整ってきた印象も受けるし、浮上の
可能性に期待したいところ。
△トーセンジョーダン
昨年は、前半をマイペースで楽に逃げられた部分もあるが、ロングスパートに
巻き込まれつつも最後まで良く粘り、持続力は示した内容だった。
今年は超ハイペース天皇賞を制し、これまで以上の地力を示しての参戦なので、
当然ここは期待したいところだが、本来小回りを器用にこなすタイプとは少し
違うため、もし他の馬にハナを譲り、外目を追走する形になった場合にどうか
…という心配はある。
あとは今回の馬体で、本当に最後の踏ん張りが効くのか…という懸念が少し。
△トゥザグローリー
昨年のロングスパート戦でも最後しっかり詰めているし、休み明けで道中極端に
脚を使った天皇賞でも見せ場までは作っているように、持続力はかなりのもの。
前走に関しても、極端に速い4コーナーで外を回して、脚の使い所を狂わされた
印象は受けるし、"ジワジワ伸びる"ということが確実に要求されるこの舞台で、
見直せる余地は十分にあるはず。
ただ昨年のようなスローならばともかく、純粋な持久力という部分での信頼度が
そこまで高い訳ではないので、締まった場合にどこまで…というのはある。
△ヒルノダムール
持久力&持続力に関してはしっかり示している馬だし、展開的にもこの馬には
向いていそうな舞台なので、浮上の可能性は当然考えておきたい。
あとは、十分に乗り込んでいる雰囲気ではあるが、海外帰りの状態はやはり気に
なるので、その点はパドックで注意して見ておきたいところ。
☆アーネストリー
オールカマーではロングスパートを追い掛けて押し切っていて、全くダメという
訳ではないのだろうが、基本的にはトップスピードに長く居られるタイプでは
なくて、ハイペースや水準の高い道中から、純粋に相手に対して格(≒持久力)
を問う…というスタイル。
したがって、ここは"切れ"というもう1つの問題を回避できる絶好の舞台だが、
地力だけで何とかなるような馬は数えるくらいしかおらず、最後の部分の"伸び"
勝負で劣勢になるイメージが十分に湧く。
☆レッドデイヴィス
前走は休み明けながら、一応世代の中心に近い馬を相手にしっかり勝ち切って、
地力の高さを十分に示した格好。
当然そこからの上積みを考えれば、ここではもう1つ上のパフォーマンスが期待
できるのかも知れないが、現状のイメージでは、長い道中から持続力を発揮する
形よりも、しっかりと切れを活かした方が良さそうな雰囲気はある。
浮上の可能性もあってもいいと思うが、感覚的には静観したい気持ち。
☆ルーラーシップ
昨年は出遅れて、道中かなり押し上げる内容ながらも崩れてはいなし、金鯱賞で
示した持続力を考えれば、上位に扱いたい感覚にはなる。
それでもこの馬の場合、かなりゆったりとした走りをするタイプなので、小回り
…という部分で結局この舞台には合っていない可能性があるし、長い休み明けで
いきなり何か出来てしまうような相手でもない。
さすがにここは静観したいが、この先、超長距離で1度見てみたい気はする。
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