予想
とにかく馬場の速さは間違いなく、世間的にもまたビートブラック的な…という
当然のザワザワ感。
実際にほんの少しでもペースが落ち着けば、前が止まらない事態は現状しっかり
起きている訳だし、確かにその可能性もなくはないのかも知れない。
それでも今回の場合、ハッキリそれが意識され過ぎている雰囲気でもあるので、
騎乗するジョッキーたちが何も対策をしてこないとは考えにくいし、(今の馬場
ならあり得そうな)勝ち時計が仮に3分13秒台に突入した場合、実際にその水準
まで到達できる馬が(いくら前から進めても)そう何頭もいるとは思えない。
したがって今回は、持久力と(スピード馬場に対する)エネルギー効率…という
点の、あくまで実力上位馬の中での適性勝負だと考えておきたい。
◎キズナ
大阪杯では、当然後方からの競馬ではあったが、道中でしっかりと引っ張られる
形からラストまで伸び切って完勝していて、相当な持続力を発揮した格好。
パフォーマンスとしてもかなり高い内容だった。
この馬の場合は、ここ2年の天皇賞で人気を裏切る形になったオルフェーヴルや
ゴールドシップとは違って、スピード馬場に対する効率…という部分での問題は
ないし、鞍上の武豊Jもこの舞台で仕掛けを間違えるとは思えないので、展開が
どうであれ、当然ここは勝ち切ることを前提にして考えたいところ。
可能性としてあるとしたら、フェノーメノの押し切りだけだとは思うが、昨年の
トーセンラーと比較すれば、さすがに実力で上…という扱いにはなるし、やはり
差し切るものと考えた方が理には適っていそう。素直に期待したい。
○フェノーメノ
前走は、長い休み明けで斤量を背負い、展開的にも4コーナーで一気に加速する
形になって、ウインバリアシオンに一瞬で置いて行かれた…という内容。
この馬は、若い時から小回りでのブレーキ→瞬間加速が問われる中山が苦手で、
大回りでじっくり加速できる東京でこそ…というタイプだっただけに、そこでの
負けは全く問題にはならない。
したがってそれを度外視すれば、高速馬場適性で言えば普通にナンバーワン争い
という馬が、あまりにも人気を落とし過ぎている…というのが今の状況で、一度
叩いた上積みも大いに期待できるここは、当然評価を上げるべきタイミング。
結果的に2番手評価とはしたが、可能性としては頭までしっかり考えたい。
▲ウインバリアシオン
持久力があり、上がり性能も当然高い馬で、どんな展開であっても(相対的に)
伸びない…ということがない。
したがって高速馬場でも全く問題なく浮上はしてくるはずで、とりあえず今回も
好走は確実だと思える。
ただし、勝ち切れるかどうか?…というところまで考えた場合に、細かい適性で
言えば、じわっと持続力を発揮する形よりもしっかり切れたいタイプなだけに、
この舞台で最後の最後伸び切れるかは微妙な印象。
解決策として、シュタルケJが積極的な競馬をする可能性もあるが、今流行りの
ハーツクライの成長力…でもなければ、それはなかなか難しそうには思える。
注ゴールドシップ
前走は、積極的な競馬からの完勝で、この舞台に対しての良い予行演習になった
印象だが、ラップ的に、その時は前半12秒台半ばが並ぶ流れだったのに対して、
ここは12秒フラットくらいが並ぶ流れがデフォルト。スピードが全く違う。
当然普通に考えれば、ここで同じ競馬を出来るはずがないし、スピード馬場への
適性が微妙な中で無理矢理動かせば、確実に(速い)脚を失うことになる。
逆に控えたとしても、この馬がどこまでも伸びる…みたいな芸当が出来るのは、
周りの脚が止まって、底辺(持久力)の高さを活かせる状況でこそなので、今の
状況&この相手ではそれも期待しづらい。
もちろん崩れることはないが、勝ち切るのは相当難しそうに思える。
△ラストインパクト
前走は、勝負所で一気に加速する形になり、この馬自身、内の少し狭い所を捌き
ながら…という挙動になったことで、持ち前の持続力を活かし辛い競馬だった。
それでも崩れることなく3着を確保していることは評価できるし、京都外回りに
替わることで、適性的な前進は確実に考えられる。
あとはこのメンバーを相手にして純粋な持久力でどこまで…といったところで、
その点、馬体的にもう少し胴が伸びれば…という思いはずっとあるため、もっと
強く推したい気持ちもありつつも、結局あと1つ推し切れない感覚になる。
一発があるとすれば、スローからのロングスパート戦になった場合…か。
△サトノノブレス
前走は、最後は脚が上がって離された格好になったが、内容的には、立ち遅れて
中団から進め、向こう正面から勝負所に掛けてかなり脚を使った形だったので、
ある程度仕方のない部分もあったように思える。
条件的にも、内回りコースで一瞬の加速が入る展開で、本来ジワッと進出したい
この馬には厳しい競馬だったと言えそう。(タイプ的にはフェノーメノに近い)
それを考えると、今回の舞台替わりで、適性面からは前進は確実だと思えるし、
内枠から上手く立ち回って、ある程度粘り込む可能性はあって良さそう。
(もちろん強力な同型がいる訳なのでこれ以上の評価は難しいが…)
☆タニノエポレット
前走では、展開的には恵まれた部分はあるものの、道中を高い水準で進めつつ、
上がりをしっかりとまとめる形で差し切っていて、パフォーマンス的にはここに
つながっても良さそうな内容を示した。
もちろん、ここの上位馬が示しているパフォーマンスと比べれば、結局は平凡な
扱いになるし、勝ち負けに近い所まで浮上するのは難しいとは思うが、「天皇賞
入着」が目標…という、歴代のステイヤー的な存在になる資格は十分ありそう。
☆レッドカドー
昨年もここで3着しているように、持久力&持続力という部分では確かなものが
あるし、地力では普通に上位に扱っていい存在。
それでも、その時のように前半でしっかり引っ張られて上がりが掛かる形ならば
ともかく、今年はもう少し純粋な上がり性能が問われそうな雰囲気なので、その
流れの中で浮上出来るか?…と言えばやはり微妙な印象になる。
一応注目はしたいが、感覚的には少し静観したい気持ち。
☆アドマイヤラクティ
持久力&持続力という部分で、この距離ではかなり主張点の多い馬ではあるが、
その分少し他力本願的なイメージもあって、今回の条件では上がり負けしそうな
雰囲気ではある。
鞍上も今年は四位Jになっているので、普通に外目からの差しという形ならば、
中途半端な着になだれ込み…くらいが妥当な印象。
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