レース総括 |
■スローからのロングスパート戦 |
■末脚の持続力が問われた |
宝塚記念結果
1 | ゴールドシップ | 2.13.9 | 35.2 | 04-03-04-04 |
2 | カレンミロティック | 2.14.4 | 35.8 | 03-03-03-03 |
3 | ヴィルシーナ | 2.14.6 | 36.3 | 01-01-01-01 |
4 | ヒットザターゲット | 2.14.6 | 35.3 | 11-10-09-09 |
5 | デニムアンドルビー | 2.14.6 | 35.9 | 06-06-04-04 |
天候:曇 芝:良
上り4F:47.4 3F:35.6
前半1000m:62.4
12.9-11.6-11.9-13.2-12.8-12.1-12.0-11.8-11.7-11.8-12.1
レース詳細
ラップタイムを見ると、(馬場を考慮しても)スタート直後からゆったりとした
流れになり、1~2角も極端に緩む展開、その後向こう正面でペースアップして
そこからゴールまではある程度フラットな形。
今回の特徴は、やはり何と言っても前半部分の極端な遅さで、3コーナー過ぎで
既に鞍上の手が動くような宝塚記念らしい余力勝負には当然ならずに、持久力の
部分ではそこまで厳しくは問われなかった印象。
レースはその後、向こう正面で前の馬がじわっと押し上げてロングスパート戦と
なり、当然末の持続力が問われた訳だが、ここでもやはり落ち着いた前半が影響
して、宝塚記念らしくない(絶対的に)速いスピードを刻み続ける形になった。
そしてその点が、直線での内⇔外の馬の明暗を分けた。
コーナーで外を回して押し上げようとすると、当然ラップの額面以上のペースで
走ることになる訳だが、例えば内の馬が12.3秒、外の馬が12.2秒で回った場合と
内の馬が11.8秒、外の馬が11.7秒で回った場合とでは、それぞれに掛かる負荷の
差が全く違ってくる。(当然後者の方が差が大きくなる)
つまり、絶対的に速いラップを刻んだ今回の場合は、外から押し上げようとした
差し馬には(相対的に)高い負荷が掛かったと言えそうで、その結果、外差しの
馬が直線で脚を鈍らせた一方で、相対的に脚が残った好位&内を進めた馬が残り
やすくなった…と考えられる。
もちろん結果的に上位を占めた馬たちにしても、何だかんだG2以上の格の高い
レースで一定の力を示している馬ばかりなので、結局はこのレベルの馬にしては
前半が楽過ぎた…ということに尽きるのだが、これこそが"展開のあや"…という
レースではあった。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
ゴールドシップ
とりあえず今回の場合、前半の超スローな流れを考えると、そこですーっと押し
上げた横山典Jのファインプレー…という部分は確実にありそう。
(外差しに徹した馬のように)極端に不利な状況に陥ることさえなければ、当然
ここは適性的にベストに近い舞台なので、あのポジションを取れた時点で勝利は
ほとんど確実なものになった印象。
この先に関しては、(結果的に何も出来なかった昨秋にこそ行って欲しかった…
という気持ちは飲み込みつつ)とにかく凱旋門賞へ出走して欲しいというだけ。
もちろんそれにはオーナーに掛かる負担は当然大きいのだろうし、とりあえずは
同厩のジャスタウェイの出走が条件になるのだろうが、適性的にこれ以上ない…
というこの馬のパフォーマンス次第で、「世界との差」とやらが実際にあるのか
どうかが分かるはずなので、その意義は本当に大きい。
とにかく色々なことが上手く転がって欲しい。
ヴィルシーナ
向こう正面では"敢えて"ペースアップしているように見えたし、とにかく今回は
持久力の部分ではこのメンバーに入るとさすがに分が悪い…という状況の中で、
この馬の持続力を最大限に発揮しようとした福永Jの好騎乗…に尽きる。
ということで、今回は単に過大評価に注意したいというだけだが、ここで示した
パフォーマンスを考えると、エリザベス女王杯にはやはり合っているタイプとは
感じるので、切れ勝負の昨年の内容は度外視して、そこでは当然注目はしたい。
ウインバリアシオン
とりあえず今回の展開では、ジャパンCの時のように早い段階で捲って他の馬の
脚を使い切らせて→直線は完全に右肩下がりの展開の中で持久力(惰性)で勝負
する…というくらいしか好走出来た可能性が思いつかない…。
当然これは度外視していい内容だが、それでも最後の最後は伸び切れてないし、
やはりフラットな形よりも、しっかりと加速する場面がある形の方が良さは出る
イメージなので、結局チャンスはジャパンCしかない…とは思う。
ジェンティルドンナ
今回は、京都記念の時とは違って馬場に合った(…というか無理矢理合わせた)
細かい脚の使い方は出来ていたが、パワーが必要な馬場でのロングスパート戦
という部分で、この馬自身キッチリと脚を削られて、尚且つ他の馬の脚が残った
ことで、結局は厳しい結果に終わった。(この点は個人的に認識が甘過ぎた…)
どちらにしても今回は単純な適性負け…ということになるし、本質的にはやはり
スピードとか切れという方向の馬。当然条件が替われば巻き返すはず。
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