レース総括 |
■ゆったりした流れから、しっかり加速する形の上がり勝負 |
■切れ&馬場への適性が問われた |
天皇賞秋結果
1 | スピルバーグ | 1.59.7 | 33.7 | 13-14-12 |
2 | ジェンティルドンナ | 1.59.8 | 34.4 | 03-03-03 |
3 | イスラボニータ | 1.59.8 | 34.4 | 03-03-03 |
4 | ラブイズブーシェ | 1.59.9 | 34.3 | 06-07-06 |
5 | ヒットザターゲット | 1.59.9 | 33.8 | 15-14-15 |
天候:晴 芝:良
上り4F:46.9 3F:34.6
前後半:60.7-59.0
12.9-11.7-11.8-12.2-12.1-12.1-12.3-11.4-11.3-11.9
レース詳細
ラップタイムを見ると、前半からゆったりした流れになり、道中もあまり水準が
上がらない展開で、コーナー部分でギリギリまで溜める格好から→直線しっかり
加速する形の上がり勝負。
今回の特徴は、落ち着いた展開になった…という部分ももちろん大きいのだが、
それ以上に、(造園課的にも「稍重に近い良」と言っているように)力が必要な
馬場になった…という部分が大きかった。
つまり、展開自体がスローに流れる中で、当然勝負所までに各馬の余力が十分に
残ったため、そうなると上がりの部分は、如何に効率良く脚を伸ばすか?という
戦いになって、(走法など)馬場への適性…という部分が重要なレースだった。
その意味では、今回は普段の(スピード勝負的な)天皇賞とは全く違ったレース
だったと言えて、この条件に向いて浮上した馬、あまり向いていないものの力は
示した馬…など、それぞれの適性に則した評価をしておきたいところ。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
スピルバーグ
中団の後ろからじっくりと進めて、直線はスパッとは切れないものの、最後まで
しっかり伸び切っての勝利。
上がり勝負で、周りよりも1枚上の決め手を発揮した…という部分で、もちろん
性能面でも一定の評価はできるが、それよりもこの馬の場合は、走法的に地脚の
強さ感じるタイプなので、馬場に嵌った部分はやはりありそう。
その意味では、このままジャパンCもすんなり…とはさすがに言えないし、印象
としては、どちらかと言えば有馬記念の方が合っている気がしないでもない。
どちらにしても、この先も当然しっかりと注目したい存在だが、適性面での上げ
下げ…というのは重要になりそう。
ジェンティルドンナ
好位の内から進めて、直線少しだけ捌きに苦労しつつ、最後は一完歩ずつ確実に
浮上する形で2着。
今回は、荒れた馬場で、尚且つ位置取り的にも内ポケットに収まって少し窮屈な
格好で進めたために、(京都記念や宝塚記念程ではなかったとしても)持ち前の
フットワークの良さを活かせなかった…という印象で、やはりこの馬にとっては
厳しい条件だった。
その内容を考えれば、結果的に崩れることなく、しっかりと2着を確保している
あたり、改めて地力の高さを証明した形で、JC3連覇に向けて良いスタートを
切った…と言えそう。当然期待していいはず。
イスラボニータ
スタート直後は中団くらいから、2コーナー付近で無理なく好位に押し上げて、
直線一旦しっかりと先頭に立ちつつも、最後少しフワッとして3着。
この馬に関しても、ジェンティルドンナと同様に、今回の条件に合っていたとは
言えないが、それでもこのメンバーを相手にしてもフットワークの大きさは特に
目立っていたし、前半&直線の動きから性能の高さは十分に感じられて、普通に
強い内容だったと言えそう。
その点でJCに関しても、相手の前進度が高いとは言え、この馬自身も前進する
可能性は十分あるだろうし、現時点では全く否定する要素はない。当然注目。
ラブイズブーシェ
中団の少し前目を進めて、直線鋭さは特にないものの、馬群の中をジワジワ浮上
する格好で→気付いたら4着…というイメージでの好走。
この馬の場合は、はっきりパワーに寄ったタイプではあるので、今回は条件的に
嵌った部分は大きそうだし、この内容がこの先に直接的につながるかは微妙。
それでも、現時点での体調の良さは間違いないだろうし、元々持久力&持続力は
一定以上のものを示している馬だけに、JCはともかくとしても、有馬記念では
普通に注目したい存在ではある。とりあえず追い掛けたい。
デニムアンドルビー
中団少し後ろのインを追走して、直線は中から一旦立て直す格好になりつつも、
最後際立った脚を見せて浮上した格好。
今回は結果自体は7着だったが、内容的にはそれ以上の価値があったし、やはり
切れが問われる展開での強さは間違いのないところ。
そして今回ぶっつけで臨んだことを考えれば、近年ほとんど決め手勝負になって
いるJCでの前進は普通に見込めるし、当然注目はしておきたい存在。
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