レース総括 |
■平均ペースから、勝負所で一気に脚を使い切って→直線は減速する展開 |
■一定の持久力&持続力(惰性力)が問われた |
天皇賞春結果
1 | キタサンブラック | 3.15.3 | 35.0 | 01-01-01-01 |
2 | カレンミロティック | 3.15.3 | 34.8 | 03-03-03-03 |
3 | シュヴァルグラン | 3.15.5 | 34.5 | 09-09-11-09 |
4 | タンタアレグリア | 3.15.6 | 34.3 | 14-14-14-13 |
5 | トーホウジャッカル | 3.15.6 | 34.9 | 09-09-07-03 |
天候:晴 芝:良
上り4F:46.6 3F:35.0
4F毎ラップ:49.7-48.6-50.4-46.6
13.0-12.1-12.4-12.2-12.1-12.0-11.6-12.9-12.6-12.6-12.7-12.5-11.6-11.4-11.7-11.9
レース詳細
ラップタイムを見ると、スタートはゆったりとした入り方をして、その後徐々に
加速しつつスタンド前が一瞬速くなり、道中は結果的に平均~平均強くらい。
そこから向こう正面はじっくりと進みつつ→下り坂から一気に加速して、直線は
(スピードはそれ程落ちないものの)完全に右肩下がりの形。
今回の場合、勝ち馬がマイペース逃げで押し切った…というレースではあるの
だが、道中が極端に緩んだ訳ではないし、勝ちタイムもペースも極めて平均的。
もちろん"天皇賞水準"での平均なので、まずは一定の持久力は問われたはず。
また1つ、大きな特徴として挙げられるのは、「脚の使い所」という部分。
今回は下り坂を一気に駆け下りるような格好になったことで、4コーナー辺りが
最も速くなり、直線部分は減速する…という構造だった。
ラップで言えば、ラスト4F~3Fの11.6-11.4という区間で(特に外から)攻めた
馬は、そこでかなり脚を使ってしまい→直線で伸び切るのは難しかった。
(当然外を回して攻めれば11秒フラットに近いラップを刻んでいるはず)
したがって、(速い馬場&平均ペースという条件だけでなく)その点で今回は、
単に内枠というよりも、勝負所で内を進んだ(相対的に溜められた)馬に、より
向いた…というイメージ。
適性的には、仕掛けてから最後まで"止まらない"ことが重要になったので、当然
持続力(惰性力と言った方が適当ではある)が問われた形で、この先に向けても
その方向性のレースに対しては、十分な裏付けになっていきそう。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
キタサンブラック
スタートから3コーナーまで、ほとんどマイペースで進められた…というのは
やはり大きいが、一旦しっかり前に出られた相手を差し返しての勝利で、減速
していく展開の中での強さ=相当に惰性が効くことを示した格好。
今回の勝利で(データ的にも)持久力の部分で十分な裏付けは取れたし、この
馬の場合、単に止まらないというだけでなく、速い上がりへの対応も前走などで
見せているだけに、どこが合うか?というよりも、どこが合わないか?を考える
方が難しいイメージ。
とりあえず今のところ、直長コースの加速勝負や、中距離のスピードに削られる
ような展開でどうか?といったところだが、この先はそれら(宝塚記念では当然
後者)をこなせるかどうか…という視点で注目していきたい感覚。
カレンミロティック
好位のインからじっくりと進める完璧な競馬から、直線で一旦はしっかりと前に
出たところから→差し返されての2着。
元々示してる高い持久力に加えて、枠や展開など、幾つかの好条件が重なった
ことを考えれば、これだけの接戦を演じたのも十分に納得できる。
単純に今回は、トコトン惰性が効く相手に対して、この馬の方は少し切れ過ぎた
…というだけ。
宝塚記念に関しては、基本的には前掛かりな展開になるので、好走するためには
一昨年のような展開の助けが必要になるだろうが、この先も当然軽視はできない
…という存在ではあり続けるはず。
シュヴァルグラン
最後にしっかり3着に浮上して、持久力&持続力の高さを改めて示した格好。
内容としては、勝負所である程度攻めてはいたが、終始最内を通っていた形では
あるので、あと1つ前に届かなかったのは、脚の使い所の問題というよりも単に
決め手(切れ)の問題という雰囲気。
その点、舞台を阪神に移し、パワー寄りになる宝塚記念では、適性的に前進する
可能性はあっていいはずで、この先の期待は当然大きい。
もちろんそこでは、メンバーが揃い過ぎて、着順は後退する可能性もあるが…。
タンタアレグリア
中団後ろの馬群の中にいたことで、3コーナーで多少不利な一面はあったのかも
知れないが、それ以上に、勝負所のラップの速い区間で外を回さないで→直線で
真っ直ぐに力を使った…という点が大きい。
当然これは、(枠を考えれば特に)蛯名Jの好騎乗だったと言えそう。
どちらにしろ、この条件でもしっかりと浮上出来たことは実力の証明になるし、
(個人的にもそこはしっかりと認識を改めたい)
次戦がどこなのかは分からないが、もし持久力&パワー(&持続力)方向になる
目黒記念ならば、可能性はかなり高いはず。
トーホウジャッカル
中団から進めて、勝負所では外から攻める…という、今回の展開に対しては最も
逆境とも言える立場ながら、直線も良く粘り込んだ5着。
単純に"惰性"という一点においては、勝ち馬に匹敵するくらいの内容だったの
ではないか…と思える。
実際にこの馬は元々そのタイプではあって、神戸新聞杯や宝塚記念など、直線が
右肩下がりになる展開での好走は多い。
となると、次に来るのはどこなのか?ということになるが、昨年の宝塚記念は
少し特殊な展開ではあったので正直微妙。
パッと思いつくのは東京の長丁場ではあるのだが、G1馬だけに目黒記念という
選択肢はさすがにないだろうか…。分からない。
ゴールドアクター
こちらの方が人気を背負った立場だったので、より積極的な内容ではあったが、
同じように勝負所を攻めたトーホウジャッカルが残っていることを考えると、
今回の敗因を展開だけに求めるのはやはり無理がある。
もちろんイレ込みがかなりキツかった…という点も大きいのだろうが、中距離の
一貫した展開で、もっと短い時間集中して走った方がいいのかも…という気持ち
にはなるし、本質的な部分での問題という可能性も否定できない。
正直現段階ではまだ租借しきれていないのだが、どちらにしてもイメージ的には
宝塚記念の方が合うことは間違いないだろうし、とりあえず次戦での巻き返しに
期待したいところ。
0 件のコメント:
コメントを投稿