2016年11月23日水曜日

マイルCS回顧 2016


レース総括
■前半~道中が締まって(特に後者)→上がりが掛かる展開
■スピード耐性&高い持続力が問われた


マイルCS結果
ミッキーアイル1.33.1 35.6 01-01
イスラボニータ1.33.1 35.0 06-05
ネオリアリズム1.33.2 35.6 02-02
ダノンシャーク1.33.4 34.8 12-11
サトノアラジン1.33.4 35.0 08-08
フィエロ1.33.4 35.1 08-08

天候:曇 芝:良
上り4F:47.0 3F:35.6
前半4F:46.1
12.3-10.9-11.2-11.7-11.4-11.7-11.6-12.3




レース詳細
ラップタイムを見ると、前半は(平均的ながらも)ある程度速い流れで、道中は
しっかりと締まった展開、その後勝負所で微妙な緩急がついて→ラストがかなり
落ち込む形。

今回の場合、勝ち馬が加害馬なだけに、最後の斜行案件がどうしても目立って
しまっているのだが、何だかんだ差し馬が強いレースで、前半~道中が厳しく、
上がりが掛かる展開だったのに→前が残った…という点で、展開としても結果
としても、なかなか特徴的なレースだった。

ここ10年くらいのレースを振り返っても、厳しい展開になった他の年はやはり
普通に差し馬が浮上しているし、最初はなかなか咀嚼し切れなかったのだが、
もう1年だけ遡ると比較的近いレースがあった。

2005年 12.2-10.6-11.4-11.5-11.4-11.5-11.3-12.2

展開としては、前3Fが34.2秒という、それなりに速いものの速過ぎない流れで、
全く淀みのない道中から→勝負所で微妙な緩急がついて→ラストが落ちる形。
レース全体の比重では、道中水準の高さが(今年と同様に)特に際立っていた。

レースの結果としては控えたハットトリックが勝ち切ってはいるのだが、それを
除くと(強引だが)、ダイワメジャーが前から粘り込んでの2着、中団からの
ラインクラフトが最後に唯一浮上して3着、好位から進めたダンスインザムード
&バランスオブゲームがそれぞれ4&5着、一方で3連覇を目指した1番人気
デュランダルは8着に飛んだ。

これだけ似ている展開だった年が、今年と同じような結果になっているという
ことは、そこにはやはり理由がありそうで、とりあえず思いつくのは、前の馬が
(無理をしない範囲で)締め付けることによって→後ろの馬の鋭い脚を消して
→結果的に前が残る…というパターン。

もちろん道中が締まった年は他にもあるが、前半で、後ろの脚が消える程度には
引っ張って(35秒台ではダメ)、尚且つ極端には脚を使い過ぎない(33秒台では
ダメ)…という流れだった年は他にはない。
狙ったかどうかはともかくとして、絶妙なペース配分の賜物だと言えそう。

どちらにしても、この展開を残るにしろ、浮上するにしろ、高い地力を備えて
いなければ難しくて、実際に2005年の例で言えば、絶対的な存在になっていった
ダイワメジャーは当然だとしても、上に挙げた他の上位陣もその後(その前から
だが)G1でしっかりと活躍している。

当然、今回の上位陣に関しても、特にスピード耐性&持続能力の高さ…という
部分で信頼出来て、この先の期待は大きい。

※ついでと言っては何だが、この展開の中で1枚上の決め手を発揮して勝利した
当時のハットトリックの強さ(ピークは1ヶ月くらいだが)…というのも再認識
しておきたいところ。


各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ミッキーアイル
スプリントで磨いたスピードで、全く無理をせずに先手を奪えたことはやはり
大きいだろうが、道中の締め付け&勝負所での微妙な緩急によって、後ろの脚を
キッチリ消した格好で押し切った内容は、文句なく強い。
そのペース配分もそうだが、4コーナー~直線入り口では、"R.ムーア"が隣で
プレッシャーを掛け続けていた状況の中で、溜め→切れという形で真っ直ぐに
力を使っていて、鞍上も、最後の部分以外は本当に完璧な騎乗だったと言える。
1200mではどうしてもG1に手が届かない状況でこの競馬を見れば、この先、
マイルより長い距離を走ったらどうなのか?という感覚になるし、実際に可能性
としてはなくはなさそう。そのあたりも含め、今後も当然注目していきたい。

イスラボニータ
不利を受けないところにいたことも事実だが、中団の少し前から進めて、最後
唯一しっかりと迫った形で、これは当然地力の証明になっているし、個人的にも
(レース前裏付けが薄いと考えた)イメージを更新しておきたい。
ルメールJの騎乗に関しても、直線に入ってから全力で追い出すのを1テンポ
遅らせていて、脚の使い所という点でさすがの内容だった。
(春の池添Jと同じく、もう1度くらいは2着がありそうな雰囲気ではあるが)
この馬に関してはミッキーアイルとは逆で、このスピードにヘコ垂れないので
あれば距離短縮したらどうだろう?という感覚になって、実際に2005年に同じ
ような競馬をしたラインクラフトはその後の高松宮記念で2着。
中距離ではあと1つ足りない結果ばかり…ということを考えれば、挑戦してみる
価値は十分ありそうには思える。

ネオリアリズム
番手からミッキーアイルのペースにしっかりつき合った内容で、結局最後は跳ね
返されてはいるものの(不利もあるが)、そのスピード耐性は当然認められる。
ただし今回は、少し忙しい雰囲気ではあったので、この先はやはり距離延長して
こそだと思うが、2005年の例でもう1つ被せて言えば、イメージ的に似ている
バランスオブゲームは、その後宝塚記念でディープインパクトの3着。
今の時代で言えば、大阪杯にはまる可能性は大きそう。当然注目はしてたい。

サトノアラジン
中団から内目を突いて、最後ジワジワ浮上しつつ→斜行の影響を受けて終了。
不利による負けという部分も当然あるが、それでも基本的に得意なはずの惰性
勝負の中で、しっかり差し切るほどの脚色だった訳でもない…というところが、
やはりスピードに殺された感が否めない。
この内容を見ると、1400mの重賞を2勝もしてはいるものの、(個人的には)
やはりもう少し長いところに適性があるように思えて仕方がない。
その点、この路線では適鞍…というのが正直分からない。難しい存在。



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