レース総括 |
■前半~道中がかなり厳しくなり→上がりは完全に右肩下がりの展開 |
■持久力&持続力(&コーナリングの効率)が問われた |
桜花賞結果
1 | レーヌミノル | 1.34.5 | 35.4 | 04-04 |
2 | リスグラシュー | 1.34.6 | 35.3 | 09-08 |
3 | ソウルスターリング | 1.34.6 | 35.4 | 06-05 |
4 | カラクレナイ | 1.34.7 | 35.0 | 15-14 |
5 | アエロリット | 1.34.7 | 35.0 | 14-14 |
天候:曇 芝:稍重
上り4F:48.0 3F:36.2
前半4F:46.5
12.7-10.9-11.1-11.8-11.8-11.5-11.9-12.8
レースラップ分析
ラップタイムを見ると、(馬場を考えると)前半相当に速く、道中も締まった
展開になり、勝負所で少しだけ加速しつつ→直線は完全に右肩下がりの形。
とにかく今回は(自分の中で)腑に落ちるまで時間が掛かったが、「ラップ
⇔各馬の位置取り&動き」をしっかりチェックしてやっと見えてきた。
そして結論から言うと、今回の場合、道中(3~4コーナー)で逃げ馬以外の
各馬が脚を使い過ぎた…ということに尽きる。
映像からは、カワキタエンカはコーナーで引きつけたような形になっているの
だが、実際のラップとしては11.8秒までしか落としておらず、後続はその速い
区間でしっかり詰めたことで、データ的に、(後ろから浮上した馬も含めて)
上がりでは全馬の脚が上がった形になっている。
つまりレースを通してのリズムとして、道中にピークがくるような、ほとんど
中山マイルのような脚の使い方になっていて、直線は完全に惰性のみの戦い
(この場合は体幹の強さ、負荷への耐性の戦い)だったと言える。
当然適性的には、持久力&持続力という方向のレースだった訳だが、「斜めに
全力を出した」という点で、むしろ小回り適性が問われたくらいの雰囲気で、
本来ここで強いフットワークのいい馬ほど苦戦した印象がある。
そのことが、フィリーズレビュー上位の2頭や、馬格のないリスグラシュー、
経歴の半分が1400mのディアドラなどの好走につながった可能性はありそう。
※そもそもの話、中山のハイペース戦を制しているライジングリーズンがもう
少し着を伸ばしていたら、より早くこの結論にたどり着けたはずだが、同馬は
荒れた内目を通ったため(伸びは目立っているが)浮上し切れず⇒カオスに。
したがって今回は、上位の地力は当然認められるのだが、この先、距離延長に
対してはもちろん、(もう少し"溜め"や"切れ"が必要な)マイルに対しても
つながるのかどうか微妙…というのが現時点での考え。
一方で、大敗したアドマイヤミヤビのようなスケール感のあるタイプの巻き
返しは(以前と全く同じ評価という訳にはいかないかも知れないが)十分に
あるはずで、当然そちら寄りのタイプながらも粘ったソウルスターリングの
評価は、3着でもむしろ上げておきたいくらいの感覚。
今後、各馬がどのタイミングで活躍するのか?に、特に注目していきたい。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
レーヌミノル
予想の段階で「そろそろ潮時…」などと失礼な書き方をしたことを、彼女に
まずは謝りたいが、道中で極端に脚を使いつつ→直線でも体の強さを発揮する
形で押し通しての勝利。
当然、地力の高さという点ではパフォーマンス更新と言っていいだろうし、
この先の活躍も十分に期待できる。
ただし、ニュージーランドTがそうであるように、この手のパフォーマンスが
つながるのは基本的には距離短縮の方向だし、ラップが落ち込んでいく形で
強い…という点でも、結局、本質は短い所という印象が拭えた訳ではない。
むしろカテゴリーとしては、「(マイルG1まで制覇した)ロードカナロアや
ストレイトガールのようなスプリンター」ではダメだろうか…。
⇒そう考えると相当強い。
リスグラシュー
この馬に関しては、阪神JFで(自分で勝手に…だが)道中で極端に脚を使う
競馬を経験しているので、この展開での浮上は一応順当な結果。
(終いを伸び切れた)その時との違いは、今回の方が前半で少し脚を使って
いることだが、それを考えると、結果論的には、仮に後方4騎の中にこの馬が
いたら頭まであったかも…という部分は少しある。
どちらにしても、この馬の"息の長い末脚"は、オークスでは大きな武器。
好走は普通に期待していいはず。
ソウルスターリング
馬場が合わなかった…とする敗因。確かにそれもあるのかも知れない。
ただしそれは、(右回り⇔左回り説と同じで)最後の最後に考えたいこと。
上記のように、今回は元々厳しい展開に対して、馬群全体が前掛かりに攻め
過ぎた格好で、この馬も、道中で極端に脚を使いつつ→上がりは惰性でなだれ
込んだだけ…というパフォーマンスになっている。
これまで何だかんだ末を活かす競馬をして来て、今回が初めての粘り勝負。
直線で何度も手前を替えていた…というのも、ただ単に苦しかっただけなの
では?(乳酸との戦い)…と考えれられなくもない。
したがって、個人的な印象としては、皐月賞のサトノダイヤモンドの負けに
近いものを感じる部分があって、むしろ経験のない極端な展開でも良く崩れ
なかった…と、プラスに捉えたい感覚。
単純に、中山で負けた…と考えておけば、まあ仕方ないか…とも思えるし、
その意味では、東京で巻き返す確率は普通に高そう。
アエロリット
前半~道中が締まったフェアリーSで、好位から進めつつ→粘り込んでいる
馬だけに、今回、惜しむらくはやはり位置取り。
スタートで隣の馬に前を塞がれた部分はあるが、その時よりも2秒ほど遅く
入っている形なので、この馬の、レースを通して持続出来る…という長所を
活かせなかった印象がある。
もちろん、それでも浮上していること自体、地力の高さを証明しているし、
次戦巻き返す可能性は十分にありそう。
元々フットワークの良い馬なので、距離延長も問題ないはず。
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