レース総括 |
■ミドルペースから、早い段階で一気の加速→右肩下がりの展開 |
■高い持久力が問われた |
天皇賞秋結果
1 | キタサンブラック | 2.08.3 | 38.5 | 11-05-02 |
2 | サトノクラウン | 2.08.3 | 38.6 | 07-02-02 |
3 | レインボーライン | 2.08.7 | 38.7 | 10-12-05 |
4 | リアルスティール | 2.09.5 | 39.5 | 03-05-05 |
5 | マカヒキ | 2.09.5 | 38.6 | 15-17-15 |
6 | ソウルスターリング | 2.09.7 | 39.4 | 07-09-10 |
天候:雨 芝:不良
上り4F:51.1 3F:38.7
前後半1000m:64.2-64.1
13.2-12.5-12.9-12.5-13.1-13.0-12.4-12.0-12.7-14.0
レースラップ分析
ラップタイムを見ると、馬場考えれば前半ミドルペースくらい。道中は前後の
4F目が速く流れているため、平均的にはまずまずの水準で、勝負所の仕掛けが
早く、一気に加速して→直線はとてつもない急降下…という形。
再びの極悪馬場。それ以上の特徴はないのだが…。
今回の場合、ラスト1Fが14.0秒も掛かっているが、実際のところ、レース全体
としては前後半ほぼイーブンの展開だった。
つまり、最後全く脚が残らないレベルの早仕掛け、しかも一気に脚を使い切る
ような(無謀とも言える)挙動。これが最も大きな特徴。
(通常の仕掛けであれば、時計的にも恐らくもう少し伸びていたはず)
ここまで来ると、普通のロングスパート戦で問われる持続力と言うよりも、
脚が上がってから→それでも体を動かす…という、本当の中身の良さ=純粋な
持久力の高さの方が問われたはず。
それに加えて、2100~2150mくらいに相当するタイムも合わせて考えれば、
ここよりは少し長いところに適性がある(元々抜けて強い)2頭がワンツーを
決めたことは頷ける。
また、もう1つの特徴としては、今回の場合、4コーナー辺りでラップ的に
ほぼピークに達した格好で、そこで外を回して押し上げようとすれば、極端に
脚を使い過ぎることになったはず。
それがなくても、この日全般の特徴として、各ジョッキーの意識が外に向き
過ぎて→その結果、馬群全体の中で経済的なコースを通った馬が好走しやすく
なっていた中で、当然内を通った馬が圧倒的に有利になった。
道悪を避けるつもりが、それ以上の距離ロスを招いての→自滅。
枠ももちろん大きい訳だが、鞍上がそれを意識出来ていたかどうか?が明暗を
分けた印象ではある。
その点、出遅れから→瞬時にプランを立て直し、勝利に導いた武豊Jの騎乗も
ミラクルだったが、直前のレースで外を回して失敗→一転ここでは終始インに
こだわる騎乗を見せたMデムーロJの適応能力も見逃せないところ。
馬だけでなく、人も目立った天皇賞。どちらにも大きな拍手を送りたい。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
キタサンブラック
スタートで出遅れつつ中団に付け、ラップが緩んだ3コーナー前後で動き、
高速4コーナーは最内でじっくり。あとは(外に持ち出しつつも)真っ直ぐに
力を使うだけ…という完璧な挙動。
とにかく今回は、武豊Jのミラクルな騎乗に尽きるのだが、当然それに応える
には馬の方にも力があってこそ。
上手い人が強い馬に完璧に乗ればそりゃ勝つよ…なレース。
ジャパンCに関しては、単純に前半の入り方だけ。昨年ほどに楽に入れるとは
限らないが、鞍上に速さを受け流す意識があれば、やはり勝つ確率は高そう。
有馬記念は、1年近く前から↓の馬のことを考えているので…、どうか。
サトノクラウン
勝ちタイムが、もう少しで得意の2200mに近い水準…というものになって、
スピード面で全く苦労することがなかったのも大きいし、キタサンブラックと
同じく緩い区間で押し上げ、インにこだわって距離ロスと(遠心力による)
エネルギーロスを防いだMデムーロJの騎乗も見事だった。
当然最後は馬自身も、改めてその持久力の高さを証明している。
今後ジャパンCは、距離、能力はともかく、適性的には微妙なところがある
ので、現時点では展開次第としか言えない。場合によってはラビットが必要。
それよりもこの馬はやはり有馬記念。香港ヴァーズの道中~上がりで示した
とてつもない持続力。宝塚記念でもその片鱗は見せたが、本当にはまるのは
中山2500mでは?と思っている。とにかくそこまでの無事を祈りたい。
ソウルスターリング
ほとんどが内寄りを回した上位馬の中では、一応終始外寄りを回していた格好
だし、その中で前走と比較してリアルスティールとの差も詰めた訳なので、
これは力を見せたと言っていいはず。
(4コーナー~直線で前が少し壁になりながら、それ以上外を目指さなかった
ルメールJらしさもある)
上位2頭に対しては、現状はそれでも差があるとは思うが、道悪への対応力や
前走の度外視の可否…など、収穫は十分にあった。
個人的にも、ジェンティルドンナレベルのオークス馬という扱いに戻したい。
(成長力という問題はまだ残っているが…)
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