2018年5月3日木曜日

天皇賞(春)回顧(ラップ分析)2018



レース総括
■スタート直後速く、(実質)一旦しっかり落ち着いての→ロングスパート
■一定の持久力&末の持続力が問われた


天皇賞春結果


レインボーライン3.16.2 35.2 10-10-11-11
シュヴァルグラン3.16.2 35.8 04-03-02-02
クリンチャー3.16.3 35.7 07-07-04-03
ミッキーロケット3.16.4 35.5 07-07-11-08
チェスナットコート3.16.5 35.9 09-09-08-06

天候:晴 芝:良
上り4F:48.0 3F:35.9
4F毎ラップ:47.6-50.0-50.6-48.0
13.0-11.2-11.4-12.0-12.5-12.3-12.0-13.2-12.6-12.6-12.8-12.6-12.1-12.1-11.4-12.4




レースラップ分析&雑感


ラップタイムを見ると、スタート直後がかなり速くなり、その後は基本的に
平均を下回る展開で、上がりは2段階気味のスパートという形。

もちろんこれは少し離して逃げた馬が作ったラップ。
3コーナー手前から差を詰めて→ラスト3Fで逃げ馬を捕まえた後続の挙動から
考えれば、実際のところは、前半少し引っ張られつつ、1周目のスタンド前~
向こう正面半ばまでゆったり→そこからのロングスパートという展開。
適性としては、一定の持久力&末の持続力というレースだった。

脚質的には、道中が落ち着いたとは言え、今年は、例年のような高速馬場では
なく前後がフラットに近い状態(展開次第)で、尚且つ前半&後半に脚を使う
場面が多かったことから、基本的には差し馬優勢。
実際、先行争いに加わった(近くにいた)馬は最後厳しくなっている。

また今回、個人的に気になったのは、(ラップのグラフ中に見える)ラスト4F
~3Fの区間の"踊り場"。

前述のように、後続はラスト3Fで前を飲み込んだので、つまりはラスト4Fの
区間では(見た目よりも)もっと速いラップを踏んでいる。
にも関わらず、ラスト3Fの区間が加速した形になっていないのは、要はそこで
一旦ブレーキを踏んで→直線一気に加速したことになる。

元々長い脚を使っている中での大きな加減速。脚元への負担がかなり大きく
なったことは容易に想像できる。
そして、コーナー~直線で緩急が入る形は、外を回す馬に厳しくなりがちで、
その点が最後内寄りを選択した(選択せざるを得なかった)馬の好走につな
がったイメージ。


最後に馬場に関して。
昨年秋の極悪馬場を受けて…なので、イレギュラーな部分は当然ある訳だが、
とにかく今年は、2回開催終了後にエアレーション作業が入っての施行。
近年見られるような、内しか無理な高速馬場よりは、断然の好レースになった
ように個人的には思えるし、(枠<)実力が反映されたようにも感じる。

この後の重賞は京都新聞杯と格上げされた葵Sしかなくて、言うまでもなく
天皇賞がこの開催のハイライトなのだから、これが実力通りに決まることが
本来は最も望ましいはず。

今回のレースを見て、来年以降もこの作り方を継続することを、造園課の方々が
(今現在)検討してくれていればいいな…とは思う。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

レインボーライン
勝負所では、この馬のポジションだと大外に向かう選択肢もあったし、これ
までの経歴の中ではそのようなレースも多かった。
しかし今回は、前を向くまではじっと我慢しつつ→最終的に内に切り込んだ
格好で、やはりこれは岩田Jの好騎乗と言っていいはず。
もちろん、前半で引っ張られつつ→後半は長い脚が問われる…という部分で、
展開的に阪神大賞典に近い要素もあった中で、馬自身も地力を示しており、
当然これは文句のない勝利。
この先に関しては、前走の内容から考えると宝塚記念はかなり面白そうだと
思っていたのだが、さすがに難しいのだろうし、まずはじっくりと休んで、
無理せず万全の状態でもう1度その雄姿を見たいところ。

シュヴァルグラン
前半でかなり脚を使って、勝負所もしっかりと攻めた格好。
周りにいた馬がほとんど沈んだ中で、際どい2着に粘ったこと自体、単純に
強い内容だったと言える。
(負けはしたが、個人的にもボウマン呪縛から解放された気分)
他に中心となるような馬がいれば、おそらくもう少しだけ控えた競馬になった
可能性もあり、勝ち切っていたかも知れない…というのは結果論。
ここではキタサンブラックの後塵を拝してきた馬だが、今回の敗因はむしろ
キタサンブラックがいなかったから…とも言える。これが競馬の難しさ。
今後は、宝塚記念に関しては、控える競馬をすれば&差しが決まる状況なら。
それがダメなら…結局ジャパンCまで待つことになるのかも。

チェスナットコート
向こう正面から押し上げつつ→勝負所もしっかりと攻めた内容で、外を回す
難しい立場ながらも掲示板は確保。力を示した。
馬格の割りにはパーツが長く見えるし、淡々としつつも止まらない…という
部分で、中長距離の持続型のレースへの適性はかなり高そうだし、イメージ
的には、もう少しだけ馬格があれば、第2のシュヴァルグランとも言えそうな
雰囲気がある。
まだ4歳。その点は、ハーツクライ産駒の成長力に期待したいところ。


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