- 前半&道中が速く、後半は細かい緩急がつく展開
- 高い持久力と、切れ&持続力(のバランス)が問われた
宝塚記念結果
1 | ミッキーロケット | 2.11.6 | 35.8 | 07-05-03-02 |
2 | ワーザー | 2.11.6 | 35.3 | 12-14-13-13 |
3 | ノーブルマーズ | 2.12.1 | 36.1 | 10-09-07-07 |
4 | ヴィブロス | 2.12.1 | 36.0 | 09-09-11-09 |
5 | ダンビュライト | 2.12.3 | 36.4 | 06-05-05-07 |
6 | サトノダイヤモンド | 2.12.4 | 36.6 | 14-09-08-02 |
天候:晴 芝:稍重
上り4F:48.4 3F:36.3
前半1000m:59.4
12.2-10.8-11.4-12.7-12.3-12.0-11.8-12.1-12.2-11.7-12.4
レースラップ分析&雑感
ラップタイムを見ると、スタート直後が速くなり、コーナーで一旦落ち着いて
から向こう正面でしっかりとペースアップ。その後、3~4コーナーは溜めて
→4コーナー~直線で一気に加速という形。
今回の特徴は、まずは全体としての水準の高さ。
(元々が超高速馬場という中で)馬場はある程度回復していたとは思うので、
極端という程ではないものの、やはり高い持久力が問われたはず。
そして最も特徴的なのは、後半の細かい緩急。
ジワジワと脚を使わされている中でも、勝負所では瞬間的な加速に対応しな
ければならず、適性的には、切れと持続力をバランス良く備えていることが
必要だった。
このラップを見て思い出されるのが、ダイワスカーレットの有馬記念。
2008年有馬記念:
6.9-11.2-11.9-11.2-11.9-13.0-13.2-12.4-11.5-11.9-12.0-11.7-12.7
その時勝ち馬は、手始めに向こう正面を締め付けた上で、溜め→切れという
ことをやっていて、"溜め"の区間で捲った格好のスクリーンヒーローなどは
最後少し苦しくなった。(同じく捲ったマツリダゴッホも直線大失速)
そして、相手が潰れつつ→逃げた勝ち馬が押し切った中で、控えたポジション
or勝負所でワンテンポ遅らせて仕掛けたアドマイヤモナーク、エアシェイディ
あたりが、勝負に行った馬を最後に上回る結果になった。
今回の場合も、同じようなことが起こったのでは?という雰囲気。
もちろん強い馬が引っ張っていた訳ではないため、前からの押し切りにはなら
なかったが、勝負所を好位インで(相対的に)溜められたミッキーロケットの
勝ち方は、イメージ的にダイワスカーレットと近いものがある。
さらに、サトノダイヤモンドのように、勝負所で堂々と外を押し上げた馬が
直線苦しくなり、後方でじっくりと待ったワーザー、中団インで脚を使わずに
済んだノーブルマーズがそれらを上回った部分も、構造的には似ている。
前例で言えば、その後天下を取ったのは、恵まれた方の立場で浮上して来た
ドリームジャーニーだし、厳しい競馬をした馬がハッキリ巻き返した訳でも
ない。(結局上位の地力は信頼できる)
それでも、この先の細かい序列を考える上では、やはり今回の挙動は覚えて
おいて損はないはずで、(個人的には)勝負に行った馬の、特に直長コースに
替わっての巻き返しあたりに、注目はしてみたい感覚。
各馬について
出走各馬の詳細&次戦に向けての考察
ミッキーロケット
(この舞台らしい)ラスト4F~3Fを持続する形ではなく、勝負所でしっかり
緩急がついた中をインで溜められたことが、"切れ"の方に寄っているこの馬に
向いた部分はある。
それでも、この馬よりも前にいた馬はほとんど潰れているように、これを押し
通すこと自体、強い馬にしか許されない芸当。
また4コーナー~直線で、変に待たずに一気に仕掛けたことも、(先に脚を
使っていた格好の)サトノダイヤモンドの歯車(ギア)を狂わせた部分があり
そうで、和田Jの騎乗も当然称賛されていいはず。
この先に関しては、(宝塚記念馬でも)やはり持続よりも<切れという舞台で
注目したいイメージで、不思議なことに極悪馬場の天皇賞秋しか経験がない
東京で、特に期待してみたい感覚。
ワーザー
速い前半はある程度受け流す競馬をしつつ、ラスト3Fまではじっくり。
そこから直線しっかりとした伸びを見せての浮上。
最終的には外を回した内容ではあるが、外目の枠ながらスタートした瞬間から
内を狙って→道中もロスなく進めているし、展開に対する位置取り、仕掛けの
タイミングともに完璧と言っていい騎乗。
(馬体重など)良く分からない状態…という中でも好走した馬の地力も当然
認めるべきだが、これはボウマンJの腕による部分もやはり大きそう。
この舞台にピッタリはまった部分で、JCに来ようものなら思いっきり下げる
…という戦略は成り立ちそうだが、香港馬なので、それは実現しない…。
とりあえずこの馬の好走で、来年以降の参戦が増えれば面白いが。
ノーブルマーズ
中団のインから(道中多少押し上げている部分はあるが)コーナーをロスなく
進めて→他が(ある意味勝手に)止まる中でのなだれ込み。
恵まれた立場ながらも直線でもう一脚を使えない…という部分が、格的な限界
とも言えるが、それでも持続的な脚の使い方では、他の裏付けも一応あるし、
この先も侮れないのは確か。
例えば上の例で言うと、エアシェイディは翌年の有馬記念でも同じ3着に入り
穴をあけているように、グランプリのリピーターになる可能性はあるのかも。
秋がアルゼンチン共和国杯→有馬記念とかなら。動向をチェックしたい。
サトノダイヤモンド
スタートはじっくり、しかし1~2コーナーで押し上げて、3~4コーナーも
強気に捲る…という競馬。
上記のように、展開的にも逆境の立場とハッキリ言えるし、フットワークの
大きな馬だけに、斜めに力を使ったことの代償は大きかった印象。
どちらにしても、今回の負けを大きく捉える必要はないし、あれだけ動ける
馬が弱かろうはずもなく、むしろ純粋な持久力の高さを証明しているくらい。
(言われている程に調子も悪いという気はしない。実際は分からないが…)
秋に関しては、今の作り方で最も合いそうなのはやはりジャパンCだろうし、
初戦が京都大賞典あたりの適鞍であれば、あっさり巻き返せてもいいはず。
あとはスワーヴリチャードを筆頭とした相手次第…。
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