2019年10月18日金曜日

秋華賞回顧(ラップ分析)2019


まとめ
  • 厳しい流れで、前後半1000mの差が3.3秒という超のつく前傾戦。
  • 高い持久力が問われた。
  • 内寄りでロスなく進めた馬に向いた。

秋華賞結果

クロノジェネシス1.59.9 36.1 06-07-05-05
カレンブーケドール2.00.2 36.2 06-08-08-07
シゲルピンクダイヤ2.00.4 35.6 14-14-14-11
シャドウディーヴァ2.00.5 36.3 12-10-10-07
ビーチサンバ2.00.5 37.0 02-01-01-01

天候:晴 芝:稍重
上り4F:48.9 3F:36.4
前後半1000m:58.3-61.6
12.3-10.7-11.6-11.8-11.9-12.7-12.5-12.0-12.3-12.1




レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、前半から速くなり、尚且つなかなかスピードの落ちない
展開。その分後半に入って一旦大きく緩んで、勝負所ではしっかりと加速を示す
形になったが、上がりはやはり掛かった。

今回の特徴は、やはり前半の速さ。ある程度下が回復していたとは言え、前後半
1000mの差が3.3秒というかなりの前傾。
(ディアドラが勝った)重馬場&実質ハイペースの2017年でもその差はちょうど
2秒ということを考えれば、いかに前掛かりな展開だったのかが分かる。

そしてこのペースでも大逃げにはならず、今回は上位馬も含めて後続もある程度
ついて行った格好で、みんなしっかりと引っ張られた上での→粘り勝負。
当然高い持久力が必要になった。

ちなみに、ラスト1Fの加速に関しては、「勝ち馬の強さ」と言って良さそう。
2着馬で考えると最後は12.4秒で、その数字でラップの形を思い浮かべれば、
上がりは完全に右肩下がり。はっきり"余力の戦い"に見えてくる。

また馬場に関しては、前日の不良から→ある程度は道悪が残るか…と思いきや
そんなことはなく、(特に午後に入って)超回復。もちろん稍重発表の通り、
パンパンという訳ではなかったが、好馬場と言っていいような状態だった。

そして乾いていく過程の馬場ということで、今回は内の馬が優勢になった印象。
実際にシゲルピンクダイヤ以外、2桁の馬番は全滅と言っていい結果に終わって
いるし、道中をインでロスなく進めた馬が基本的に上位を占めた。

後傾の持続力勝負("長くいい脚"の戦い)ならばともかく、前傾の持久力勝負で
勝負所のコーナーが12秒台というレースなので、本来は外差しが決まってもいい
ところ。やはりバイアスを感じさせる状況だった。

どちらにしてもこれだけの展開なので、上位の地力は信頼できるし、この先の
活躍には当然期待はしておきたい。
あとは外を回って負けた馬や、前半脚を使って厳しくなった馬の巻き返しという
部分で、多少の上げ下げをしたい…といったところ。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

クロノジェネシス
全体の中ではロスなく進めた方だが、2着馬と比べれば終始1頭分外を回して
いた形だし、中団前寄りで流れにもある程度つき合った格好。
それでいて直線では(ビュッとは来ないものの)最後まで唯一しっかりと脚を
伸ばしての完勝。シンプルに強い!ということでいいのでは。
今回はぶっつけで+20kgだった訳だが、その分(以前のスラリとしたイメージ
からは)馬体がかなりしっかりした雰囲気となり、そしてこの内容。
単純に成長分だった…ということにはなりそう。
方向性として、再度の距離延長も問題ないだろうし、ここを叩いてのG1連勝も
普通にあって良さそう。当然注目はしたい。

カレンブーケドール
中団インでじっくりと進めつつ、直線に入ってから少し持ち出す競馬で、一瞬
併せ馬状態になった勝ち馬には"脚"の差を見せつけられた格好。
イメージからすると位置取りが少し後ろ過ぎのようでもあるが、展開を考えれば
むしろ正解と言ってもいいくらいだし、これはもう勝ち馬を褒めるしかない。
この先に関しては、決め手勝負では分が悪い分、舞台&展開を選ぶだろうが、
持ち前の"惰性力"を活かせる状況になれば、十分活躍は期待できそう。

シゲルピンクダイヤ
外枠ではあったが、後方インでロスなく進めつつ、勝負所もギリギリまで我慢
させる競馬。好騎乗による部分は大きい。
それでも直線は、大外まで持ち出しての浮上で、他の上位馬とのコース取りの
差を考えれば、やはり評価しても良さそうな3着。
この先は、延長よりも短縮の方向になるとは思うが、今のヴィクトリアマイルを
考えた場合、"流れに乗れる"ということが重要になる。その点で前進があれば。

ビーチサンバ
逃げて厳しい展開を演出しつつ、そこから溜め→切れという形でまずまず粘り
込んだ強い内容。前走でも道中で動いて→好位に取りつく競馬をしていたが、
今回はその水準が全く違っているし、これが出来るなら…という部分で、この
先に向けて可能性が大きく広がった印象。
今回示した先行力、元々示していた性能と(後肢の形状による)粘り強いバネ
から繰り出される息の長い末脚。マイルCS出ないかな…という感覚。
とんでもない相手もいるが…。



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