2020年11月18日水曜日

エリザベス女王杯@阪神回顧(ラップ分析)2020


まとめ
  • ミドルペースからの一貫した流れで、勝負所ではしっかりと加速する展開。
  • 一定の持久力&切れが問われた。

エリザベス女王杯@阪神結果

ラッキーライラック2.10.3 33.9 12-12-11-03
サラキア2.10.4 33.7 14-14-15-12
ラヴズオンリーユー2.10.4 33.8 11-11-13-08
ウインマリリン2.10.7 34.4 03-03-03-06
センテリュオ2.10.8 33.9 16-16-16-14

天候:晴 芝:良
上り4F:46.8 3F:34.8
前半1000m:59.3
12.6-11.1-11.2-12.3-12.1-12.0-12.2-12.0-11.9-11.1-11.8



レースラップ分析&雑感

ラップタイムを見ると、(速い馬場を考えれば)前半はミドルペースくらいで、
道中は1~2コーナーが緩まず淀みなく流れた。その分後半はじっくりと溜め
つつ→勝負所で一気に加速という形。

今回は、絶対的な水準では締まったことは締まった展開だが、比較対象にして
いる宝塚記念とはやはり馬場が全く違う。
実質的には極端に速くも遅くもない流れ…といったところで、レース全体として
前後半で言えばやや後傾となった。

その中で、1頭が少し離した逃げ。後続は前半~道中を一定水準で進めつつ→
上がりしっかり…という内容になっていて、適性的には、(形としては一応は
引っ張られているので)一定の持久力&切れというレースだった。

後半部分に関しては、ラスト3Fの地点では逃げ馬がまだ吸収されていなかった
ように、(離れた)先行勢がじっくりと待ったことで、後ろの馬はあまり無理を
せずに詰められて、横並びに近い状態からの→ヨーイドン。

脚質的には、好位もある程度残ってはいるが、(往々にして決め手で勝る)差し
馬がそれを上回る結果になった。

イレギュラーな阪神開催。来年、再来年もこのような速い馬場になるのか?は
分からないが、少なくとも宝塚記念よりも時期的には速い状態になるだろうし、
レースの性質として、より性能が重視される可能性は高そう。
あと2年、そこはしっかりと意識しておきたいところ。


各馬について

出走各馬の詳細&次戦に向けての考察

ラッキーライラック
中団後ろからじっくりと進めて、3角辺りから徐々に、ラスト3Fで一気に動いて
前をスイープしつつ→直線も押し通しての勝利。
基本的には(それなりに地力が問われる)後傾の展開の方がいい…という経歴の
持ち主で、今回も終わってみればそれに当てはまっている訳だが、要は前半で
必要以上に脚を使わない…ということが、おそらく重要な馬。
その点スタート直後が速くなりやすいこの舞台では、高い位置取りにつけること
よりも、控えた方がパフォーマンスが上がる…ということは想像できるのだが、
初騎乗で、尚且つ速い馬場でそれをやったのがルメールJ。素晴らしすぎる。
(先入観のない)初騎乗だからこそ…という部分もあるだろうが、とにかく、
これまで急いでいた意味が分からなくなる快勝だった。
次走は有馬記念という噂だが、前傾が基本となる宝塚記念に対して、有馬記念は
前傾も後傾もあり得るというレース。現時点では展開次第、メンバー次第としか
言えないが、クロノジェネシスとの再対決も含めて、本当に面白くなりそう。

サラキア
後方外からじっくり。仕掛けもじっくりとした形から、直線は持続力を発揮して
最後しっかりと詰め寄っての2着。
勝負所で鞍上は、「この馬の特性を考えて待った」とのこと。
その真意はハッキリとは分からないのだが、今回は展開自体が切れ方向。
持続寄りのタイプが切れ勝負で伸び切れなくなるのは、勝負所で”無理をして”
上げてしまうことで→本来の持続力が鈍る…というが原因の1つ。
一気にはトップギアに入れないで、(例えば100%ではなく90%を続けるような
イメージで)ジワっと息の長い末脚を使おうとした…ということなら、レース
そのものの展開を→自身の展開に落とし込んだ、なかなかの好騎乗と言えそう。
もちろん、夏以降高いパフォーマンスを発揮してきた馬の力があってこそだが、
改めて騎手のレースでもあった…という雰囲気ではある。



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